「All these French people…」青いパパイヤの香り redirさんの映画レビュー(感想・評価)
All these French people…
ベトナムではなくフランスのセットなのか。
他の映画でも、ベトナムの富裕層のベトナム戦争以前の優雅な暮らしを見たが。深く湿度の高い緑、植物やカエル、虫たちが色鮮やかに、水を滴らせ、生命力を謳歌している、その自然というにはあまりにも人間の生活空間に溶け込んだあり様が、素敵なんだけど、フランスの人がノスタルジックに感じるベトナムなのかなと思い、一歩引いた感じで鑑賞した。
つがいのコオロギ、青いパパイヤのソンタム風のサラダを作った残りを割ると真っ白い種が卵のようにびっしり、ゴムの木か何かの樹液もしたたり、カエルは艶々、植物は常に湿気を帯び滴を垂らし、人がまた水をやり自然というにはあまりに近く混在する生あるものたち。
記録として素晴らしいかと思ったけど、フランスのセットだった。
女性が成長していく様にしてはあまりに受動的で奥ゆかしく、フランスの目で見た女性像かと勘繰りたくなる。
不快な作品ではなく、むしろ吸い寄せられるように丁寧に美しく撮られたシーン、音楽と周りの音に耳をそばだてた。
途中飛行機の爆おみたいな大きな音が、なんとも不安にさせる。
美しい映画である。
老女となった想い人に心を寄せ遠くから見守る老人が素敵であった。
映像美、音の不思議、自然の賜物、ムイや全ての人が優しくdecent である。ベトナム映画なのかなて、少しモヤモヤするけど、美しい。ベトナム人にもこのようなノスタルジーは普遍的なものなのかな。とにかく美しい。
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