青い体験のレビュー・感想・評価
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こんな家政婦が一つ屋根の下に暮らしていたら(^^;;
WOWOWプラス(スカパー!)の放送にて。
イタリア伝統の艶笑映画の流れを汲む作品だが、このジャンルの中では笑いも色気もおとなしい。
本作のヒットをきっかけに、ゾロゾロと類似の“筆下ろしもの”が作られた。
本作がイタリア国外でもヒットした要因は、主演のラウラ・アントネッリの魅力に尽きるだろう。
アントネッリは20代半ばにスクリーンデビューしていたようだが、日本で認知されたのは本作からのはず。本作撮影時は30歳を過ぎていただろうから、20代の姿は日本では見ることができなかった。(と、思う)
本作の後はお色気系映画を主戦場として活躍したが、やはり日本ではほとんど公開されていない。(今はソフトで見ることができる)……が、地上波の洋画番組で放映するにはちょうどよいお色気加減だったので、テレビでは重宝されていた。他の類似映画もテレビて放映されたが、やはり本作が最も繰り返し放映されていた印象だ。
この映画は何度となく観ていて、ストーリーテリングはいい加減だし、魅惑の家政婦とスケベ少年の心理描写が無茶苦茶なので、高校生の頃(だったと思う)テレビで初めて観た時はドキドキしたものの、その後の鑑賞では観るに耐えない映画だと感じていた。それでも何度か観ているのは、やはりアントネッリの魅力に尽きるのだ。
今回久しぶりに鑑賞して、改めてアントネッリの色気に魅了された。
スケベ少年ニーノ(アレッサンドロ・モモ)は羊毛生地の製造販売業(と思われる)を営む中流以上の家庭の次男坊で、母親の葬儀の当日に母親が生前に申し込んでいた住み込み家政婦がやって来る。
家政婦アンジェラ/アンジェリーナ(ラウラ・アントネッリ)は家事を完璧にこなし、何より色っぽい。
プレイボーイ気取りの長男と男やもめとなった薄毛の父親が彼女の争奪戦を展開するなか、スケベ少年は彼女への歪んだ憧れを露にしてゆく物語。
熟女未亡人と、スケベ少年の悪友の姉を比較対象に置くことで、アントネッリの控え目な色気が反って強調される対比効果となっている。
こんな色っぽいお姉様が身の回りの世話をしてくれたら、薄毛親父も悪ガキたちも舞い上がってしまって当然だ。
ニーノがアンジェリーナを挑発する場面は、雇い主の子息という優位的立場によるパワハラそのもの。
20〜30歳も離れていようかという薄毛親父の求婚に応じようとするアンジェリーナは、ニーノに攻撃されて「やっと幸せになれると思ったのに…」と泣く。ここには玉の輿に幸せを見出だそうとする貧富格差を感じる。
また、薄毛親父の再婚には、彼をいつまでも小僧扱いしている母親(お婆様)を説得しなければならないイタリアのファミリー主義と、その説得を友人の神父に頼み込むカトリック信仰の伝統が垣間見える。
編集も音楽の合わせ方も極めて稚拙で、ストーリーはいい加減な映画だ。
が、撮影監督のヴィットリオ・ストラーロは、ベルトルッチの『暗殺の森』で見事にデカダンの空気を映し出した人で、この後『地獄の黙示録』『レッズ』などで多数の賞を受賞する人だった…‼️
イタリア映画界は侮ってはいけない。
とは言え、繰り返すが本作はアントネッリの魅力に尽きる。
ラウラ・アントネッリに感謝を込めて、★ひとつ追加❗
🎵Oh!アンジェリーナ〜🎶(佐野元春)
みずみずしい感覚を表現できている永遠の生命をもつ作品だと思います
綺麗なお姉さんに優しく手ほどきされて…なんてだけの単純な映画だったら、これ程長く愛される映画にならなかったと思います
結局のところはそうなってしまうのですが、単なるお色気コメディで終わっていないところに価値があります
邦題は本作の内容を的確に表現していますが、表面的です
原題の意味は悪意
ニーノの複雑な心情がよりうまく文学的に表現されていて、邦題よりもより深く内容を説明出来ており味わいがあります
性に目覚めた頃の男の子の感覚がみずみずしく映像に写しとれています
そして経験をしてラストシーンでは大人の顔つきに変わっているのです
音楽が秀逸です
70年代ポップス風味が濃厚にしてイタリアの味わい
甘酸っぱくて映画の内容に本当にマッチしています
このテーマ曲も永遠の生命を本作は得た理由のひとつだと思います
そしてカメラが素晴らしいです
見事な構図と光線の処理です
さぞかし名のあるカメラと思ったら、やはりラストタンゴインパリ、ラストエンペラー、1900年、地獄の黙示録などそうそうたる作品を撮っているヴィットリオ・ストラーロその人でした
今の子供達はネットでポルノにいくらでもアクセス出来てしまいます
このような微妙な心情を育むことができるのでしようか?
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