「●そして男になる。」愛と青春の旅だち うり坊033さんの映画レビュー(感想・評価)
●そして男になる。
クリックして本文を読む
これだけ刺さるシーンが満載な作品も珍しい。特に鬼軍曹とザック、ふたりが交錯するシーンはいずれも心が揺さぶられる。
まず、ザックの心の叫び。人は追い詰められて初めて本音が出る。若きリチャード・ギア渾身の演技は迫力モノ。
親友シドをめぐるやりとり。鬼軍曹は、物事の優先順位を心得てる。
そしてラスト。短いセリフに愛が溢れる。こっそり別ポケットにコインをしまう演出がイキだ。
鬼軍曹は「怒る」と「叱る」の違いをよく心得ている。士官養成だから「怒る」だけでもいい気がするが、ホントに紳士でカッコイイ。
人は厳しさの中で鍛えられる。ザックは、独り善がりの成り上がりから、仲間思いの紳士に成長する。障害物走で記録を狙うシーンも素晴らしい。ありゃあ、なかなかできないよ。物事の優先順位を理解した男の行動だ。
同時に進む期間限定の恋人関係。親友シドが自分の人生を歩みだそうとした瞬間に訪れる挫折。それぞれの本音が見え隠れ。それぞれが本音を吐露。彼ら彼女らの発言と行動は、なかなか考えさせられる。
そして究極のラスト、鉄板の主題歌。わかっちゃいるけど涙が溢れ出る。
ポーラの友人、リネットの表情の変化もニクイ演出だ。
蛇足だが、リチャード・ギア後年の「プリティ・ウーマン」も、この辺の男女の関係が似てて嫌いじゃない。
さらに蛇足だが、原題は「士官と紳士」「士官たるもの紳士たれ」って解釈は複数あるものの、なぜこの邦題。こりゃあ主題歌の邦題に引っ張られたんじゃないだろか。主題歌ヒットの恩恵を映画でも得ようとしたのでわ。でもこの邦題も嫌いじゃない。
コメントする