「戦争に翻弄された手に職が無い若い綺麗な踊り子の不幸」哀愁 Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
戦争に翻弄された手に職が無い若い綺麗な踊り子の不幸
クリックして本文を読む
ビビアンリー主演で、風と共に去りぬの翌年、1940年の映画。
戦争が引き裂く哀しいメロドラマを思い描いていたが、かなり大きく異なっていた。
戦地に向かうロバート・テイラーを見送り、舞台を欠勤した踊り子ビビアン・リーと友人は踊り子を首になってしまう。職を色々探したが雇ってもらえず、二人がたどり着いた先の仕事は。お金も無く、技術も無い若い女の子がどうやって英国の都会で生きていくか、途方にくれ未来の恐怖に怯える2人の姿が、コロナ下の現状と重なって、物凄く切実に思えた。
商売で出かけていた駅で、戦士したと思っていたが帰還したロバート・テイラーと再会。結婚するという彼と共に彼のお屋敷に行ったものの、自分は彼に相応しく無いと思い、ロンドンに逃げ帰るビビアン・リー。彼の邸宅や親族の貴族的な豊かさと、彼の母親の賢さが上流階級の手の届かなさ感を見せていて、なかなかの造り。
車の飛び込んでしまって分からないままだが、ロバート・テイラーと彼の母親は、嫁候補の過去を許せななかったのだろうか?それとも許せたであろうか?
女性が生きるのは今以上に難しかった第一次大戦時に起きた小さな悲劇。スカーレットオハラとは異なり、時代の波に翻弄され娼婦にまで堕ちてしまう女性をビビアンリーが、チャレンジングに演じている。女優魂の塊の様なヒトと感じた。
コメントする
LaLaさんのコメント
2023年9月18日
Kazu Annさん
共感をくださり ありがとうございます。
「哀愁」悲恋物語でしたね。
ビビアンというと 「風と共に・・・」の
イメージが定着していますが
この作品では、弱気女ごころを
見事に演じられていて素晴らしかったです。
戦争からは、悲劇しか生まれないですね。