「現在のガザを照射する」エドワード・サイード OUT OF PLACE LaStradaさんの映画レビュー(感想・評価)
現在のガザを照射する
エルサレム生れのアメリカ人思想家で、コロンビア大学で長年教鞭を取り、パレスチナ問題にも積極的に発言を続けたサイードの半生を辿るドキュメンタリーです。佐藤監督が中東問題までも撮っていた事は今回初めて知りました。サイードが主張するのは、パレスチナを孤立させ関心を逸らそうとする西欧の欺瞞であり、事態は何十年も前から現在まで何も変わっていないのだと改めて感じます。
ただ、イスラエル人まで含めた多くの声を集めたせいか、映画の方向性と言うか深みが曖昧になったとも感じました。「中東問題は複雑過ぎて訳が分からない」と諦め気味の僕は、何かしっかりした指針が欲しいのです。でも、その曖昧さこそが混迷せる問題の反映であり、「それはあなたの頭で考えろ」と言うメッセージなのでしょう。そこで、まずは勉強をと彼の著書を読み始めた。ますます頭が混迷しそうです。
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