「産みの苦しみよりも、笑えないギャグが苦しかった。」三年身籠る kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
産みの苦しみよりも、笑えないギャグが苦しかった。
完全に設定負け、タイトル負けしている映画だったような気がする。脚本も未熟。細かな突っ込みをすると枚挙にいとまが無いのですが、初っ端から「実家に帰ればいいのに」と家族の人間関係をすべて覆すかのような台詞。すべて妄想と捉えればいいのかもしれないですけど、最初から最後まで宇宙人の会話を聞かされているようで、ギャグでさえも笑えなくなってしまいました。
台詞の抑揚や間の取り方は山下敦弘監督風だったように感じましたけど、彼の作品に見られる自虐ネタがないのです。それでも医者の海(塩見三省)だけは良かったような気がします。唯野未歩子さんの訴えたいテーマはなんとなく掴めるのですが、自分で書いた脚本の悪さによってそれさえも見えづらくなったのでしょうか。
ちょうど団塊の世代の子供たちが精神的には大人になり切れなかった。今の世相を見ても児童虐待など、無責任な親の姿がクローズアップされて、赤ん坊が赤ん坊として生まれるよりも大人になって生まれてきたほうがいいのかもしれない。そうした問題提起も宇宙人たちの会話によってかき消されてしまいました。なにしろ西島秀俊がチンチ○を切ろうとしたことによって産気づいたのですから・・・どういう意味があるんでしょう・・・
元々は女優の唯野未歩子さん。監督・脚本はまだまだでしたけど、今後に期待したいと思います。(2006年時点)
【2006年6月映画館にて】
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