三年身籠る

劇場公開日:

解説

27ヵ月もの間、子供を身籠り続けた妊婦と彼女を取り巻く人々の狂騒を描いたヒューマン・コメディ。監督は、本作が初監督作となる女優の唯野未歩子で、自らの原作を基に脚本も執筆。撮影を中村夏葉が担当している。主演は、「まだまだあぶない刑事」の中島知子。第29回カイロ国際映画祭出品、第18回東京国際映画祭 日本映画・ある視点部門出品、文化庁支援作品。

2005年製作/99分/日本
原題:Three Year Delivery
配給:ザアリズエンタープライズ
劇場公開日:2006年1月28日

ストーリー

29歳、女ばかりの家系に育った冬子(中島知子)は妊娠9ヵ月。母親になるという実感が湧かないまま、東京郊外の一軒家でのんびりと暮らしている。一方、夫の徹(西島秀俊)も冬子以上に親の自覚がなく、毎晩のように愛人と遊び歩いていた。やがて、十月十日。しかし、冬子のお腹の子は生まれる気配を見せなかった。妊娠18ヵ月目! 冬子のお腹は、尋常でないほど膨れ上がっていた。だが、祖母の秋や母の桃子は「育児をしなくて楽ねぇ」と、いたって楽天的。心配した妹の緑子が、親子ほども年の離れた恋人・海の勤務する大学病院に彼女を入院させるも、かえって世間の目に曝されることとなり、いたたまれなくなった徹は妻を病院から連れ帰るのだった。妊娠27ヵ月!!人里離れた山荘に引っ越した冬子と徹は、大自然の中で静かな生活を送っていた。お腹の中では、生まれていれば1歳半の子供が元気いっぱい暴れているが、まだふたりを親として認められないのか、出て来そうにない。ある日、東京から緑子と海がふたりの様子を見にやって来た。母体の危険性を訴える海に対し、あくまでも自然分娩を望む冬子。そんな中、海とうまくいっていない緑子と徹の浮気が発覚する。正直に罪を認める徹に、冬子の表情はもはや菩薩のようだ。とその時、遂に冬子が産気づいた!!! 生まれて来たのは、玉のような男の子だった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

監督
脚色
唯野未歩子
脚本アドバイザー
香川まさひと
原作
唯野未歩子
製作
日下部孝一
大村正一郎
多井久晃
林瑞峯
プロデューサー
日下部圭子
撮影
中村夏葉
美術
仲前智治
音楽
野崎美波
録音
林大輔
音響効果
北田雅也
照明
樋浦雅紀
編集
日下部元孝
スタイリスト
櫻井まさえ
きものスタイリスト
秋月洋子
選曲
佐藤啓
斉藤みどり
ラインプロデューサー
辻井孝夫
制作担当
神南愛子
助監督
谷口正晃
スクリプター
松澤一美
特殊造型
織田尚
宣伝スチール
松田優子
出産指導
三宅はつえ
プロデューサー補
黒谷瑞樹
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映画レビュー

1.0産みの苦しみよりも、笑えないギャグが苦しかった。

2022年4月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 完全に設定負け、タイトル負けしている映画だったような気がする。脚本も未熟。細かな突っ込みをすると枚挙にいとまが無いのですが、初っ端から「実家に帰ればいいのに」と家族の人間関係をすべて覆すかのような台詞。すべて妄想と捉えればいいのかもしれないですけど、最初から最後まで宇宙人の会話を聞かされているようで、ギャグでさえも笑えなくなってしまいました。

 台詞の抑揚や間の取り方は山下敦弘監督風だったように感じましたけど、彼の作品に見られる自虐ネタがないのです。それでも医者の海(塩見三省)だけは良かったような気がします。唯野未歩子さんの訴えたいテーマはなんとなく掴めるのですが、自分で書いた脚本の悪さによってそれさえも見えづらくなったのでしょうか。

 ちょうど団塊の世代の子供たちが精神的には大人になり切れなかった。今の世相を見ても児童虐待など、無責任な親の姿がクローズアップされて、赤ん坊が赤ん坊として生まれるよりも大人になって生まれてきたほうがいいのかもしれない。そうした問題提起も宇宙人たちの会話によってかき消されてしまいました。なにしろ西島秀俊がチンチ○を切ろうとしたことによって産気づいたのですから・・・どういう意味があるんでしょう・・・

 元々は女優の唯野未歩子さん。監督・脚本はまだまだでしたけど、今後に期待したいと思います。(2006年時点)

【2006年6月映画館にて】

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kossy
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