「人のために何かしたい」1リットルの涙 かみぃさんの映画レビュー(感想・評価)
人のために何かしたい
拙ブログより抜粋で。
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亜也を演じた若干二十歳の新鋭・大西麻恵の圧倒的な熱演も特筆に値する。
予想はしていた。そもそもこの映画を観ようと思ったのは、劇場ポスターにも使われている車に乗った彼女が涙をこらえて手を振る写真を目にしたからにほかならない。
その表情だけで涙を誘う彼女の力演は、予想以上に素晴らしく、今は亡き亜也さんの輝くほどの人間的魅力を見事にスクリーン上に蘇らせた。
亜也の生きることへのあくなき姿を真摯に映像化してみせたこの映画の終幕には、日記の最後の一ページをめくったような、何ともいえない余韻が残る。
いくらでも劇的なクライマックスに盛り上げられるであろう永遠の別れで締め括られるその終幕は、意外なほどにあっけないのだが、それは亜也が一途に望んだ「人のために何かしたい」との望みを実現させた映画の幕切れとして正しい選択だったと思う。
そう、この映画は、障害者・木藤亜也を材料にしたお涙頂載映画ではない。短い一生を懸命に生きた人間・木藤亜也から託されたメッセージそのものの映像化なのだから。
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