村の写真集のレビュー・感想・評価
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だいたいに日本の男たちが饒舌になったのはいつからだろう。 「男は黙...
だいたいに日本の男たちが饒舌になったのはいつからだろう。
「男は黙って」というTVCMはもはや昔語りとなり、無口な男は「何を考えてるのか分からない」「キモイ」と、いまや散々な扱われ方である。
オヤジ達よ、いまさら女子供におべんちゃらを使うのはやめよう。『鉄道員(ぽっぽや)』の高倉健のごとく、『さびしんぼう』の小林稔侍のごとく、そして本作の藤竜也のごとく、背中に語らせるような生き方をしようではないか。
ここに描かれている父親と息子の確執は、解らない人には「そんなもんかな」程度であろうが、じっさい息子でもあり父親でもある身なのでダブルで感情移入してしまった。
写真を撮るたびに感謝の言葉を述べる父親の姿が、自分の父親と重なって見え、何か大切なものを教えてもらったような気もするのである。
それにしても、泣ける作品であった。DVDで泣いたのは久しぶりである。
まあ山村の美しい風景が出てきただけでもうじわっと来てしまうのは、われわれ世代のオヤジどもの性癖なのではあろうけれども。
また、最後に原田知世が登場するシーンでは、何故か解らないままに涙がこぼれてしまった。私には女きょうだいもいないし、また娘がいるわけでもなく、孫などはずっとまだ先のことであるというのに。
そんなわけで、お薦めである。
家族の姿
息子と父親の距離が変わっていくのが、嬉しい。
気恥ずかしくて、言えない事を素直に伝えられる事の素晴らしさが分かる。
地域で撮ってる映画らしい観光宣伝も無いし真面目に作っているところが好感持てる。
方言である阿波弁は大杉漣を除くと、関西弁のイントネーションで話されるため、安っぽい人情ドラマに見えてくるのが勿体ない。
今時流行らないかも知れないが「親の背中を見て育つ」事で親と子どもの双方がお互いを思いやりをもてる姿を観てほしい。
息子が出張サラリーマンに地元をバカにされて、ケンカになった後、警察署に親父が迎えに来るシーンは笑えた。
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