「面白い!」運命じゃない人 R41さんの映画レビュー(感想・評価)
面白い!
面白かった。
すべてに意味がありつながりがある。
登場人物の動機とそれによって行動する様子を交錯するように表現することで、スリリングさと納得感と新たな疑問と次の展開が頭の中で交錯する。
現代の貧乏ヤクザと見栄
組事務所の台所事情に見栄を張りたい組長が仕込んだ紙束で作った札束。
これがすべての始まり。
詐欺師のアユミがした仕事 ヤクザの金を窃盗
桑田マキ
マキが偶然発見した段ボールの中の大金
それは宮田も知らないことで、マキは夜中に突然やってきた元カノの目的がそれだと一瞬で察知した。
だからそれを盗んで逃げたのだ。
彼女はついさっきまで途方に暮れていた。
マキのが宮田に言った言葉は的確で、それに対する宮田の返答もまた的確だ。
視点が宮田なので、視聴者は騙されてしまう。
マキのカバンの中に、宮田の部屋の段ボールにあった大金が持ち逃げされたとは夢にも思わない。
そしてそれがわずか数時間のうちに出現し、消えてしまうという技。
マキの表情からは、そんなことなど想像もつかないが、改めて当時の状況が映し出されると彼女の心理状態が良くわかる。
同時に彼女の良心の呵責も発生しているのだ。
この偽の札束
そもそもがヤクザの台所事情を惑わすために作ったもの。
わずか3500円の婚約指輪
男から金を巻き上げる詐欺師のアユミ
アユミが神田に尋ねたように、神田はなぜアユミを調査したのだろう?
そして作り上げたあのプロファイル
彼の探偵としての腕は見事でしかない。
アユミも神田を苦手としていたようで、この直感は一級品だろう。
さて、
最後にマキはお金をもって訪ねた場所は、おそらく宮田の部屋だと思われる。
お金を返しに来たのだ。
しかし、
一緒に宮田を訪ねてきた男は何者だろう?
彼は宮田の同僚だ。
彼に「明日」部屋を貸してほしいと依頼した人物だ。
つまりそのシーンは、この物語が一晩の出来事だったことを意味する。
マキは一晩考えた末、おそらく調布駅だと思われる場所で婚約指輪を外して売却を決意した同じ場所で、もう一度考え抜いてやってきたのだろう。
同僚の印象が薄すぎて判断するのに時間がかかった。
でも、
このタイトル
出会いがあって運命じゃない人は、いないんじゃないかと思ってしまう。
この物語のヤクザがいい仕事をしていた。
この作品作りにはいくつかの条件があったのではないかと思う。
ひとつは製作費だ。
これを抑えて作る作品の面白さを監督は考えたのだろう。
そして驚きの展開。
それが同時進行している時間的概念。
たった一晩の出来事。
それが見せる圧巻さ。
見事でしかない。
こんばんは~。
さっそく観てくれたのですね
嬉しいです☺️
中村靖日さんが今年亡くなられています
7月だったかな?
とても残念です
この監督の作品は
評判が良いみたいです。