劇場公開日 2005年7月16日

「PFFスカラシップ」運命じゃない人 にゃろめさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5PFFスカラシップ

2023年7月28日
PCから投稿

PFFの受賞作やスカラシップ作品は
興味深い作品が多く、第一回からチェックしてました。
が、いつのまにかチェックしなくなり、
意識すらしなくなりました。
そして、今作。
なかなか興味深い仕上がりだなぁと
調べたらスカラシップ作品でした。
当時出会っていたらもっと違った評価に
なっただろうなと思います。
良くも悪くも。

タランティーノがパルプフィクションで
オムニバスシャッフルという手法を確立し、
(その手法になんか名前付いてるのかしら)
以降、真似した映画がめちゃくちゃ増えました。
私は大変好きな手法なんですが、
嫌いな人は見たくもないらしいですね。

で、今作の評価の分かれ目は
”時間軸シャッフル手法が効果的かどうか”
だと思うのですが、
良かったのではないかと思います。
結婚詐欺に遭った真面目な成年が、
新たな出会いへ一歩踏み出した映画。
という平々凡々なストーリーに
奥行と広がりを持たせる。という意味で。

残念なのはキャラクター。
主人公はまじめで一本気。
でもちょっと真面目過ぎ。
一見破天荒な親友は、
悪くてチャラく見えるが
親友想いのいい奴過ぎ。
結婚詐欺の性悪女は、
”いい女”の部分が描かれな過ぎ。
やくざの親分は、
いい奴なのか悪いヤツなのか、
頭いいのかバカなのかフラフラし過ぎ。
そしてヒロインの彼女。
応援したくなるほど可哀そうでもないし、
宮田が惚れるほどいい女とも思えない。
あげく、金に目がくらんで宮田を
ないがしろし過ぎ。

せっかく”こういう映画”にするのなら
ストーリーの奥行じゃなく
キャラクターに深みを持たせた方が良かった。
と、思った。

にゃろめ