「おっさんが高校生から人生を学んだっていいかもしれない・・・頑張れ、おっさん!」フライ,ダディ,フライ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
おっさんが高校生から人生を学んだっていいかもしれない・・・頑張れ、おっさん!
岡田准一演ずるスンシンはケンカが強くてクールな奴ではあるけど、人間の暖かさを理解し、相手の立場になることができるという、人間としてかなりでかい器を持った奴なのです。力がないのに復讐に燃える中年男鈴木の特訓中に、相手を殺しかねない内面を感じ取ったスンシンが「大切なものを守りたいんだろ、おっさん」と忠告したり、「戦わなくても勝つことだってある」と年上の男に人生訓を教えたり、観ている者も目から鱗が落ちるような台詞をサラリと言う。「こ、こいつになら年の差を度外視してでも教えを乞いたい」と妙に納得してしまいました。
“ゾンビーズ”というスンシンの仲間たちは鈴木が宿敵である石原を倒すことに協力し、夏休みを返上してまで復讐の下準備に精を出す(トトカルチョはご愛嬌)。スンシンの猛特訓を受ける鈴木と同じように爽やかで熱くなるところだ。このメンバーの一人には坂本真もいるし、バス通勤のくたびれた中年軍団には神戸浩や田口浩正といった大好きな名脇役が出てるではありませんか!さらに高校教師に変態チックなモロ師岡。彼の場合は、アップになるだけで笑ってしまいます。
導入部分ではモノクロームのシリアスな映像。そして青い空に入道雲といった爽やかな映像と夕陽をバックに過去を語るスンシン。『燃えよドラゴン』をこよなく愛し、冒頭のブルース・リーとサモ・ハン・キンポーのシーンへのオマージュ。そして青春映画らしい芝生で寝転がるシーン。どうとでもなれ!というくらいにハートをわしづかみにされてしまいました。また、こんなところで作品タイトルが?!という点でも目新しかったです。
【2005年7月映画館にて】
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