サマータイムマシン・ブルースのレビュー・感想・評価
全12件を表示
スケールの小ささとヌルい空気感が心地良い。
◯作品全体
本作の脚本にあたり『バックトゥザフューチャー』が未来へタイムトラベルする話だから過去に行く物語を書こう、というアイデアがあったとか。どちらも青春の香りがするタイムトラベル物語という意味では似ているけど、本作の方が身近に感じるのは邦画であること以外にもスケールの小ささ、登場人物たちの「タイムトラベルへの不真面目さ」があるかもしれない。
スケールの小ささは言わずもがな、昨日へリモコンを取りに行くというタイムトラベルの動機。間違いなくSFではあるんだけど目的のものはすぐそこにあって、目的を達成したところで「涼しくなる」という結果しかない。そしてそのスケールの小ささと同じくらい、登場人物たちがあんまり必死じゃない。普通の現代人であればタイムマシンの使い方で紛糾しそうだけど、昨日のリモコンを取りに行くことで納得する空気感とか、「ちょっとそこまで」の感覚で昨日へタイムトラベルするSF研のメンツがとても面白かった。
そのうえでリモコンを取ってくるだけでなく、様々なところに影響を及ぼしてしまう「タイムトラベルもの」の面白さはハズしていない。その影響すらもボンヤリと受け止める登場人物の反応含め、ギャップを使った構成と演出に巧さを感じた。
更に言うと、登場人物たちはタイムスリップに対してあまりにも不真面目だ。なんとなくヤバイことをしてる自覚はあれど、それを注意されても「といいつつ、シルバニアファミリーを動かしてみたり…」なんてやっている。ホセがタイムトラベルの恐ろしさや紆余曲折するリモコンの時間旅行を語ったところでイマイチ理解してないし、そもそも話を聞いてない。途中で少し複雑になるタイムトラベルの経過も、登場人物たちが大して理解していないから難解なSF作品にありがちな置いてけぼり感が全くなく、緩い登場人物の態度から「ああ、ぼんやりとした理解でいいのか…」と肩の力を抜いて見られる。これが本作の最大の長所だ。
SF作品としてはB級モノなのかもしれないけれど、ぬるい大学の研究会というそれ相応の人物たちによって繰り広げることで、エンタメとして「ちょうどいい」感じになっているのが本当に面白い。
そして小気味良いテンポの会話とごちゃごちゃした遣り取りがさらに物語を身近なものにしていて、ずっと見ていたくなるような作品だった。
〇カメラワークとか
・タイムトラベルするときにバレットタイムが使われてた。単純にタイムマシンの周りを囲んでるんじゃなくて、上から見ると渦巻き状になるよう、壁の外にカメラを置いてたりしているのが面白い。
・会話のテンポ感とカッティングが『踊る大捜査線』っぽいなあ~00年代初頭の邦画とかってみんなこんな感じだったんだっけ~とか思ってたら本広監督だった。
会話の中で極端に優劣の関係作ったり(しばしばその関係性が逆転したりする)、会話の中に誰かが割り込んでくる頻度が高かったり、話してない人物も目を引く芝居をしてたり、大人数でいろんなところで会話してたり…みたいな会話劇は本広節って感じだった。このごちゃごちゃ感が仲間の空気感っぽい雰囲気作りになってる。
・手持ちカメラで手振れしながら登場人物に寄って驚きの表情を取るやつとか、00年代流行ってたなあと思ったけど、これも本広さん(というか『踊る』)の影響なのかな。作中で写真部の二人に甲本が「被写体との距離感がおかしい」みたいな話をするけど、そこにかかってるような気もした。
〇その他
・タイムトラベルは当事者と全く関係がないところにも影響を及ぼす、みたいなことを別の作品で聞いたような気がするけど、本作でそれが理解できた感がある。作中では結局タイムマシンを持ってきた人物はわからないんだけど(多分ホセっぽいけど)、その人物がタイムマシンを田村のところに持ってきた結果、まわりまわって甲本が田村の姓になる、というような。タイムマシンを作った人物にとってどうでもいいことだけれど、確かに未来は影響されていて、そういうところが好奇心くすぐられる。
・ムロツヨシが若くて細い。
自分が初めてノベライズで予習して見た作品であり、初めて一人で映画館に見に行った作品だからどうやっても居心地の良さみたいなのを感じてしまう。
同時期に『踊る』シリーズにハマってたり、『めぞん一刻』で「アローン・アゲイン」を聞いてギルバートオサリバンにハマってたりしていて、特に意識せず見に行った結果いろんな好きな要素が詰め込まれていたことに驚いた記憶がある。そして十年後くらいに別のところからヨーロッパ企画を認知したりと、いろいろ思い出深い作品。
騒がしい
................................................................................................................................................
大学のSF研究会の部室のクーラーが壊れる。
そんな時に未来からタイムマシーンに乗って男がやって来る。
そしてタイムマシーンを利用して前日のリモコンを持って来る事になる。
が、前日のリモコンを取って来た時点で前日時点のリモコンはなくなり、
って事は当日にもリモコンはないはず・・云々かんぬんの矛盾が起こる。
これにより自分達の存在すら消える可能性があるとか何とか。
結局未来人が自分の時代の数ヶ月先に行って持って来た。
その頃クーラー買い替えになるので問題ないとのこと。
................................................................................................................................................
細菌を撲滅しながらやからあんまりややこしい話はわからんかった。
でも基本線は上記の通り。
他にも、未来から来た奴はヒロインの息子やったとか、
99年前の沼に落としたリモコンを現代の犬が掘り当てたりとか、
99年前に見られた姿がカッパとして伝えられたりとか、
シュールな内容のエピソードは多々あった。
評価が良かったんで期待したんやが、イマイチやったなあ。
SF自体は好きなんやが、全体にバカらし過ぎるし、
とにかくアホな大学生らがうるさいうるさい、アホ丸出しで中高生レベル。
それで見るんがしんどくなったりもした。
あとおれは加瀬亮とエイタがいまだに見分けがつかない。
多分どっちかだろうって事はわかるんけど・・・(場)
【邦画2000年代のタイムトラベルコメディの逸品。「四畳半タイムマシンブルース」と見比べると面白いですよ!】
ー 久方振りに再鑑賞。
そして、主要キャラクターを演じた、現代邦画を牽引する瑛太、ムロツヨシ、真木よう子さんの若いが余り変わらない姿に、驚く。(除く、ムロツヨシさん。スイマセン・・。)-
■うだるような暑さの夏休み。
ある大学のSF研究会の男子学生たちが、グラウンドで下手な野球に興じている。
一方、SF研部室の奥にある暗室では、カメラ部の女子部員がグループ展に向けての作業に没頭していた。
◆感想<Caution! 内容に触れています。)
・学生たち(昔、ビデオで見た時には京都かと思っていたが、久方ぶりに鑑賞すると、特に地名はない)の”相対性理論”も知らずに突然現れたタイムマシンに乗って、コーラの液が掛かって壊れてしまったクーラーのリモコンを治すためにタイムトラベルをするおバカな姿が相変わらず、面白い。
・ビックリするのは、瑛太さん(今は、永山瑛太さん。)や真木よう子さんの余り変わらない姿である。
ー タイムトラベラーかと思ったぞ!-
・銭湯で、ヴィダルサスーンを盗まれた男が犯人を捕まえるためにタイムマシーンで前日に行って犯人を捜そうとしたり、2030年の未来からやって来た”岡村クン”が巻き起こす騒動。
ー そして、おバカな学生たちは、過去を変えると自分達が消滅する可能性があると、冴えない相対性理論を研究していた教授(佐々木蔵之介)に指摘され、慌てふためく。-
<近年、劇場で鑑賞した「四畳半タイムマシン・ブルース」の原作。2作の微妙な違いを探すのも面白い。
未来からやって来た”岡村クン”のお母さんは、ヤッパリあの人なのかな?>
バカでも分かるタイムマシンSF
『四畳半タイムマシンブルース』を先日鑑賞し、そのオリジナル版である本作も気になったので鑑賞しました。『四畳半タイムマシンブルース』は本作のストーリーをなぞるような作品のため、ストーリーはほとんど理解した上での鑑賞となります。
結論としては、悪い意味で映画的でなく舞台っぽい作品でした。
やたらと説明的な台詞が多くて、観ていれば分かることを登場人物たちが懇切丁寧に台詞で説明するもんだから、物凄く冗長に感じましたね。おそらく大半の観客にとっては説明過多です。映像的な制約がある舞台演劇ならば説明的な台詞が多いのは十分理解できますが、映像で説明できる映画でそれをやっては鬱陶しいだけです。
・・・・・・・・・・
仲間内で楽しく活動している大学のSF研究会。ある日、部室に設置されたエアコンのリモコンをコーラを溢して破損させてしまう。猛暑の中、項垂れている研究会の部室に、ある日奇妙な機械が設置されていた。その機械を操作するうちに、それがタイムマシンであることが判明した。彼らはそのタイムマシンを使って、エアコンのリモコンが壊れる前に回収しようと画策するが……。
・・・・・・・・・・
この作品、非常に評価は高いしそれなりに面白いとは思いますが、正直私にとってはかなり期待外れでした。というのも、舞台の脚本をほとんど手直ししていないのが分かるレベルで説明過多なんです。本作は監督である本広克行さんがヨーロッパ企画の演劇に惚れ込み自らプロデュースして映画化したという経緯があるので、舞台版へのリスペクトから脚本に手直ししなかったという可能性もありますが、それは映画監督としてどうかと思います。
これは映画評論家としても活躍するライムスター宇多丸さんが、本広克行監督が本作同様に劇団ヨーロッパ企画の原作を映画化した『曲がれ!スプーン』という作品の評論でおっしゃっていたんですが、演劇が大好きな本広克行さんは演劇をそのまま映画にすれば当然面白いと本気で思っている節があって、舞台版の脚本を映画用に手直しするような工夫をほとんどしていないらしいです。
舞台と映画。同じように見えますが、映像的な制約という意味では両者は全く違います。舞台では観客と演者の間に距離があったりCGなどの効果が使えないため、表情やタイムスリップ描写などはしっかり見せることができません。そのため舞台では映像に代わって説明的な台詞が多用され、観客も暗黙の了解で観ているため脚本に違和感は抱きません。しかし映画では演者の顔をアップにすれば表情がしっかり見えますし、CGや合成でタイムスリップ描写はいくらでも表現できます。そのため映画は「映像観てれば分かる」ということが舞台よりも多く、映画で舞台と同じセリフを言わせてしまうと「分かり切ったことをいちいち説明されてる」と感じてしまい、なんだかくどいし鬱陶しいし馬鹿にされているような気分になります。心底不愉快でした。
「多分、基となった舞台版は面白いんだろうな。でも映画は冗長で鬱陶しいな。」ってのが本作を鑑賞していてずっと思っていたことです。やはり舞台と映画では同じ脚本でも見え方が全く異なるんだということを再認識できた意味では、観て良かったと思える映画でした。
くだらなくてよい
SF研究会(名だけ)の学生たちが、たまたま見つけたタイムマシンで壊れてしまった部室のエアコンのリモコンを過去から取ってくるという話。
伏線が張り巡らされていて、最後の回収はなかなかよき。
本当に単純でコメディ要素満載です。
史上最小規模なタイムトラベルもの(笑)
タイムトラベル作品史上、一番規模感の小さい作品でしたね(笑)時間移動は、主に昨日と今日!場所は主に部室!キーアイテムはエアコンのリモコン!なんともこじんまりした作品でしたが、これがなかなかに面白かったです!
冒頭は、繋がりが分かりにくいシーンが断片的に流れます。(でも、あとからもう一度見てみると「昨日」のSF研のメンバーだけが映され、「今日」のSF研のメンバーは出てこない構成になってたんですね!)リモコンを置く謎の手、不自然に動くロッカーの扉など意味不明な演出も多くて、結構苦痛な序盤でした。。
続いて、中盤。自堕落な大学生のイケてないキャンパスライフ。ともすれば、変化に乏しく中だるみしそうな展開ですが、このキャンパスライフが妙にリアルで、自分の大学時代がフラッシュバックして思い出されて、すごく楽しかった♬曽我くんの可愛がられる後輩感がなんとも微笑ましかった。。ヴィダルサスーンに、ハロゲンヒーター(笑)ズルいです(笑)
そして、後半、エアコンのリモコンから始まるタイムトラベルストーリー。ここで、冒頭のバラッバラだったストーリーが、バシバシ繋がっていき、冒頭で意味不明だった演出(リモコンを置く謎の手、不自然に動くロッカーの扉など)が伏線として謎解きされていきます。その繋がって、伏線回収な展開が、なんとも気持ちいい。最終的に全部がハマって一本に繋がったときの爽快感は素晴らしかった。
若かりし、真木よう子さん、ムロツヨシさんが出演してたのが、印象的でした。
B級だけど面白い!
公開2005年なのか。2019年に観賞。
瑛太と上野樹里ちゃんは初々しさを残しつつも14年の年月を感じさせないくらい出来上がっている。
真木よう子若いなぁ〜!
ムロツヨシは…え??ムロツヨシだよね?という感じ。
こういう今とのギャップをも楽しめる作品だった。
ストーリーは、SF部の古いエアコンのリモコンにコーラがかかって壊れてしまったことから、それをどうにかしようと奮闘し現在と過去をタイムマシンで行ったり来たりする。
そもそもそのタイムマシンに乗ってきたのは…25年後の上野樹里ちゃんの息子だった!というオチ。
軽い気持ちでサクッと楽しめる作品だった。
リモコンで世界滅亡の危機!?
DVDで2回目の鑑賞。
共演作がやたらと多い瑛太と上野樹里のダブル主演で、突然現れたタイムマシンを使って壊れたエアコンのリモコンを昨日に取りに行ったことから巻き起こる、タイムパラドックスと世界滅亡の危機をコミカルに描いた舞台劇の映画化作品。
ワンシチュエーション・コメディーの様相でしたが、飽きさせないための様々な仕掛けが随所に施されていて、観る度に新しい発見があるなぁ、と思いました。
一見めちゃユルなタイムトラベル作品のように見受けられましたが、思わぬ伏線やその回収の見事さに「なるほど!」と手を打つ練りに練られたストーリーが秀逸でした。
※修正(2023/06/14)
おもしろい!夏にみたい!
おもしろかったー!
色んな意味で面白かった(このいろんな意味でというのが重要)
まず私は第一にバックトゥザフューチャーが大好きであるということ。
BTTFを思わせる校舎の時計は実在の大学の校舎に撮影のため時計を付けたらしい。
ほんで気に入ってそのままつけたままになってるらしいよ!
あとはみんなの大学生ノリが最高だった。
夏と学生の青春感だけでみたくなるのに、ノリがおばかで大好き。
最後にいろいろつながるせいでもう一度見たくなる。
タイムマシンが出てくる映画ってどうしてもいろいろ矛盾が出てくるけど
それでもいいやって思えるし、頭こんがらがりそうになったとき
先生役のくらのすけさんが黒板に図を書いてくれるおかげで整理できるんよ。すごい。
セーフっていうてるのは神様という噂。
あと3回は見れる。
あとあと画像検索してて知ったけど撮影場所香川だなんて!
俄然ロケ地めぐりがしたくなったのでありました。
夏に見るとなおいい。
展開が読める
友達に勧められて鑑賞。最初は意味不明だったSF研と写真部の出来事が後に出てくるタイムマシーンが未来からやってくるということによって意味のあるものになっていくという話。
こういう話で1番盛り上がるのは巧妙に隠されていた伏線(最初はそのまま消化しちゃうようなもの)が後から実は意味のある行動だったというところにあると思うがこの伏線が露骨過ぎてタイムマシーンが出てきた時点でたいてい読めてしまう。それだけでもこの映画の魅力は低いと感じる
更に付け加えると最初のほうの話も全くつまらないわけでわけないが全然笑えないので観ていてあきてしまう。それは演出がチープすぎて企画もののAV(流石にそこまでひどくはないが)を観ているような演技の空寒い感じがしてしまっていることにあると思う。
なぜこの映画の評価がこれほど高いのか良く分からない。
リモコン
とても笑わしてもらいました。最高の青春物語です。
自分たちもタイムマシーンがあったらこうなるのかな・・・
とにかく笑わしてもらいました。どこか未来に向かって自分をその役に当てはめようとするとこが勇気ずけられますね。
全12件を表示