「早いもので公開から20周年。20年経ってもSFタイムリープコメディの金字塔、傑作でした。」サマータイムマシン・ブルース 矢萩久登さんの映画レビュー(感想・評価)
早いもので公開から20周年。20年経ってもSFタイムリープコメディの金字塔、傑作でした。
タイムリープ青春SFの金字塔『サマータイムマシン・ブルース』が早いもので公開から20年。公開20周年を記念して渋谷シネクイントさんにて8月1日からリバイバル上映。
『サマータイムマシン・ブルース』(2005年/107分)
監督は『踊る大捜査線』シリーズの本広克行氏。
脚本は本作以降『ドロステのはてで僕ら』(2020)、『四畳半タイムマシンブルース』(2022)、『リバー、流れないでよ』(2023)、最新作『リライト』(2025)でも新境地を開いたタイムリープSFの大家、ヨーロッパ企画・上田誠氏。
「タイムマシン ムダ使い」のキャッチコピー通り、部室の壊れたクーラーリモコンを取り戻すためだけに、突然出現したタイムマシンに何の疑いもなく乗り込み「昨日」と「今日」をドタバタ行き来する「SF研究会」の部員たちを描いた痛快SFコメディ。
20年ぶりに鑑賞しましたが、本作が劇場デビューの瑛太氏はじめ上野樹里氏、真木よう子氏、ムロツヨシ氏がとにかく若く初々しくて驚嘆。月日の流れを感じます。
以降の上田誠作品に通じる独特の間やエスプリの効いた笑いは劇場第1作の本作でもすでに健在。牧歌的な香川善通寺の町並みが作品世界の面白さを一層高めています。
複雑で混乱しそうなタイムリープのメカニズムも、SF研顧問の穂積光太郎(演:佐々木蔵之介氏)に都度解説させて、純粋にタイムリープのドタバタコメディに集中できる点も良いですね。
20年経ってもSFタイムリープコメディの金字塔、傑作でした。
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