「とにかく映像化作品として「火の鳥」を公開することに成功したのですから偉業に間違いありません」火の鳥 鳳凰編 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
とにかく映像化作品として「火の鳥」を公開することに成功したのですから偉業に間違いありません
1986年劇場公開作品
原作漫画の角川文庫なら第4巻鳳凰編をアニメ映画化したもの
1978年 市川崑監督の実写版「火の鳥」
1980年 総監督を手塚治虫自身が務めた「火の鳥2772 愛のコスモゾーン」
この2作につづく「火の鳥」の映画化作品第3作です
本作は、その2作から6年もの時間が流れてしまいました
監督はりんたろう
アニメファンなら説明不要ですね
日本のアニメ黎明期から制作の最前線にいた巨人です
虫プロではあの「鉄腕アトム」、「ジャングル大帝」などの演出の中心を担った人
1979年にはあの「銀河鉄道999」の監督をされています
その後、1983年「幻魔大戦」、1985年「カムイの剣」などを経て本作の監督をされています
つまり「火の鳥」の監督をする資格は、キャリアも実力も十分ということです
本作の最大の特徴は、キャラクターデザインが、手塚治虫の漫画そのままではなく、手塚治虫のそれをベースにしながら現代的にリファインされていることです
背景も一部水彩画的な彩色が採用されています
「火の鳥2772 愛のコスモゾーン」の手塚治虫自身のキャラクターデザインと背景の彩色は、1980年当時のアニメと同列に観賞すると、懐かしさを覚えていまうもので、悪くいえば古色蒼然として見えたことに対する、りんたろう監督としての判断であると思います
賛否別れているようですが、自分は支持します
時代は奈良時代
752年の大仏建立に関わる物語です
本作の内容については、原作からの翻案過程での取捨選択をキャラクターデザイン同様に批判する向きもあるようです
上映時間という制約がある以上、映像化作品は原作に忠実にするにも限度があります
落とされた部分をカットする辛さを一番感じたのは、りんたろう監督その人だとおもうのです
とにかく映像化作品として「火の鳥」を公開することに成功したのですから偉業に間違いありません
なにしろ原作漫画の「火の鳥」を連載すると雑誌がつぶれるという噂がたつくらいマニアックな内容なのですから
本作が追い風になったのでしょうか
次の「火の鳥」は、劇場公開作品ではなくOVAにはなりましたが、「火の鳥」の映像化の努力は継続されたのです
それが翌1987年8月「火の鳥 ヤマト編」、同年12月「火の鳥 宇宙編」と連続で発売されることになったのです
しかしながら、1989年には手塚治虫もお亡くなりになり、火の鳥の映像化は一旦ここで途絶えてしまいます
その後2004年、NHKで連想テレビアニメ化されました
黎明編、復活編、異形編、太陽編、未来編を全13話で描かれています
これ以外にも、ラジオドラマやゲームやイベントや施設向けのものなど、舞台まで!本作以降沢山あるようです
このように手塚治虫の不朽の名作「火の鳥」の多数のメディア展開をもたらしたのは、本作「火の鳥 鳳凰編」の功績がとても大きいと思います
「火の鳥」はいつの日にか、全編を映像化されなければないものだと思います
映画関係者の皆様、アニメ関係者の皆様
何卒火の鳥の全編映像化を成し遂げて頂きたいと切にお願い申し上げます
「火の鳥」全編映像化!!
:(;゙゚'ω゚'):
すごいです。これは日本に課せられた使命の一つですね。今だからこそ出来る事のように思います。
クラウドファンディング等で何としても実現してほしい!
m(_ _)m
鳳凰編、小学生ながら衝撃を受けて
手塚治虫先生の偉大さを知る一端になった作品です。ファミコンのゲームにもなっていて、いまだに心に残っています。^ ^