映画 クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望のレビュー・感想・評価
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よかった
子どもと一緒に見ることを楽しみしていたのだけど、ポケモンばかりを見たがってとうとう付き合ってくれなくなった。夜中一人で見る。
しんちゃん一家が戦国時代にタイムスリップして大活躍する。いったん終わったと思ったら現在に部隊を移してまた戦う。
これは子供向けなのか……?
今観るとビビるほど、製作スタッフが豪華ですよね。のちに映画史に残る大傑作『オトナ帝国』の監督を務める原恵一さんが脚本と演出に参加し、『四畳半神話大系』などの監督として知られる湯浅政明さんもアニメーターとして参加している。後のアニメ業界を牽引することになる天才が揃い踏みの、非常に贅沢な映画ですね。
クレヨンしんちゃん映画の初期の名作として知られる本作。子供の頃に鑑賞したことはありましたが、当時はアニメ版とは違うその独特な雰囲気に「怖い」と思ったのを鮮明に覚えています。正直内容は覚えていませんでした。
大人になって改めて鑑賞しましたが、今見ても結構恐怖を感じるシーンがありましたね。
タイムパラドックスやタイムマシンが登場する作品なのでところどころ複雑で「これ本当に子供向け映画か?」っていうのが正直な感想です。でもとても面白かったですよ。
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埼玉に住むごく普通の家族である野原一家。ある日、時代の改変を目論む未来人のジョコマン(富山敬)を追っていたタイムパトロールのリング(佐久間レイ)は、時間移動中に何者かによる攻撃を受けて1995年の野原家の地下に不時着する。特殊な機械によって野原家の飼い犬シロを操って野原一家に事情を告げ、共に戦国時代に行きジョコマンの陰謀を阻止するようにお願いをする。かくして野原一家は未来の存亡を賭けた戦いに巻き込まれていくことになったのだった。
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クレヨンしんちゃん映画あるあるのトンデモ設定映画ですね。テレビアニメ版は野原しんのすけを中心とした日常ギャグアニメなんですが、劇場版になるとタイムマシンとか巨大怪獣とかロボットバトルとか、完全に非日常のSF映画になることが多いです。
そしてクレヨンしんちゃん映画はコアな映画ファンからも絶大な人気を誇っており、『オトナ帝国の逆襲』『戦国大合戦』『逆襲のロボとーちゃん』の3作品が特に人気がある印象ですね。大人の鑑賞も想定しているように伺える、かなりダークな面も持ったアニメ映画シリーズです。
戦国時代にタイムスリップする設定から、2002年のクレヨンしんちゃん映画屈指の大傑作映画『アッパレ戦国大合戦』も想起しますが、ぶっちゃけ内容は全く違いますね。『戦国大合戦』の監督が本作の脚本を務める原恵一さんですから、もしかしたら本作が原恵一さんに影響を与えて『戦国大合戦』という傑作が生まれたのかもしれないです。そう考えると感慨深い気もします。
本作は全編通して暗くて怖い展開が多いですね。というかクレヨンしんちゃん映画の初期の作品群は結構暗くて怖い雰囲気の作品が多い気がします。私は91年生まれなので、本作は物心ついたころに公開された映画です。テレビ放送されたタイミングで初めて鑑賞した記憶があるんですが、めちゃくちゃ怖くて最後まで観られなかった思い出があります。そのせいで「クレヨンしんちゃん映画はホラー映画なんだ」って印象が刷り込まれてしまって、終始明るい雰囲気の99年公開『温泉わくわく大決戦』を観るまでは、ずっとクレヨンしんちゃん映画は怖くて観られなかったんです。
大人になって改めて観てみてもやっぱり「怖い」し、時系列が入り乱れて「複雑」。
改めて観ても、やっぱり子供向け映画じゃないですねコレ。面白いのは間違いないんですけど、子供向け映画としてどうなんだろうっていう感じは正直あります。
多分、子供を映画館に連れてきた大人がハマるタイプの映画です。
戦国時代から戻ってきた後に訪れる衝撃の展開はかなり驚かされましたし、原恵一さんの脚本がやはり面白いので最後まで飽きずに観ることができます。映像も、アクションシーンは迫力満点にぬるぬる動き、日常のシーンは静かな間の演出が素晴らしい。緩急の付け方がエグイですね。
大人になった人たちに観てほしいです。オススメです!!!
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