お染久松
劇場公開日:1949年12月30日
解説
「エノケン・笠置の極楽夫婦」製作者滝村和男のプロデュースで、エノケン劇団の勝田潤一が脚本を書き、渡辺邦男がこれに協力執筆。「旅姿人気男」に次ぐ渡辺邦男の監督である。主演には「エノケン・笠置の極楽夫婦」の榎本健一と笠置しず子の他に、アキレタボーイズの三人らが助演する。
1949年製作/76分/日本
劇場公開日:1949年12月30日
ストーリー
今日は“野崎まいりは屋形船でまいろお染久松せつない恋の……”というところで屋形船で油屋一家総動員の野崎まいり、ところが油屋の小僧久松は、ことごとく大番頭、小番頭にいじめつけられている。見かねたお染は、なにくれとかばうが久松はますます意地悪くされる。久松の故郷野崎村でのお祭。人出はたくさんの中で「もしもしカメよのかけくらべ……」である。偶然にも久松が石段からころげ落ちて一等となり人気を博す。こんなことがあってから久松はお染のお気に入りとなるが、ますます面白くないのは大番頭、小番頭の連中である。特に三河屋の若だんなはお染に感心を持っているので、大番頭の太郎衛門の弱味につけこんで彼を使ってお染を嫁にとひどく熱心になる。お染は若だんななんかてんで相手にしない。そして毎日お染と久松が歌と躍りで楽しく歩いているのがどうも気に食わない。母親のお常も何かと心配でたまらない。太郎衛門もこれにつけこんで久松を除け者にしようとして悪計を演じ彼を追い出してしまう。怒ったのはお染でハンストのお蔵入りとなる。一方久松は妹のお光が実は妹でなくて父の久作が久松とお光を夫婦にしようとしていると知ってお染をますます忘れられなくなってしまう。蔵の中に入っていたお染も久松を恋しくなって逃げ出してしまった。行き先は野崎村の久松の家であった。ところが久松の父の久作はそぐわぬ縁であるといってお光と久松を無理に夫婦にしようとする。お常もかけつけて来た。ところがお光は、久松とお染のせつなるものを知っていさぎよく身を引くところで野崎村を去って行くとお染と久松はめでたしめでたし。