火の鳥2772 愛のコスモゾーンのレビュー・感想・評価
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本作は手塚治虫のライフワークの句読点であっただけでなく、図らずも日本アニメの歴史にも句読点を打っていたのだ
火の鳥は巨匠手塚治虫のライフワーク 原作の漫画は1954年7月から1988年2月にかけて色々な漫画誌に断続的に連載された 手塚治虫が伝説のトキワ荘にいた頃から連載が始まったということだ 単行本は全11巻もある 黎明編など多数の編で構成され各編で完結する 太古から未来まで舞台となるが、時系列順ではない 映像化はいくつもなされている まとめると以下の通り 火の鳥(実写)1978年公開 市川崑監督 火の鳥2772 愛のコスモゾーン(アニメ)1980年アニメ 手塚治虫総監督 ※本作 火の鳥 鳳凰編(アニメ)1986年 りんたろう監督 火の鳥・ヤマト編(OVA )1987年 平田敏夫監督 火の鳥(テレビアニメ)2004年 高橋良輔監督 本作は漫画の未来の部分を再構成したオリジナルの物語になる 2772とは西暦ではなく、宇宙船を多数遭難させている謎の存在のコードネーム、コスモゾーン2772のこと 手塚治虫が自ら総監督をつとめ、絵コンテに流用されるほどの詳細なストーリーボートを大量に描いたという 手塚治虫 52歳 監督は杉山卓 43歳 まず、この名前に震撼しなかればならない 東映動画の第1期生、「白蛇伝」、「少年猿飛佐助」に参加 その後紆余曲折をへて虫プロ入社、伝説のテレビアニメ「W3 (ワンダースリー)」ではチーフディレクターを務めた人と言えばどのくらい凄いか分かると思う 手塚治虫がテレビアニメのイエスキリストならば、十二使徒の誰かに相当するといえる しかも京都アニメーション共同創業者の八田(旧姓杉山)陽子さんは実の妹なのだ そしてアニメーション・ディレクターの二人の名前にも震撼するだろう まず、中村和子 47歳 この人も東映動画の第1期生 通称ワコさん、東映動画一の美人アニメーター 手塚治虫の「三つ目がとおる」のヒロインのワトさんは彼女がモデル 「白蛇伝」、「少年猿飛佐助」、「西遊記」に参加、その後虫プロで「鉄腕アトム」、「W3 」、「リボンの騎士」、手塚プロで「ふしぎなメルモ」などに関わった人 この人もまた十二使徒の一人に相当する そしてこの人はなんと山口県宇部高校出身 そう庵野秀明と同窓なのだ なんという縁なのだろう そして石黒昇 42歳 この人の名前はヤマトファンならよく知っているだろう 原画には高橋信也、西村緋祿司、金山明博らあるの名前もある 高橋は「狼少年ケン」、「レインボー戦隊ロビン」など、西村は「ジャングル大帝レオ」など、金山はエルガイム、ダンバイン、ダイモス、コンバトラーV、ボルテスVなどに、それぞれ関わっている レイアウト・メカ作画監修は湖川友謙 30歳 ヤマト、999、イデオン、ザブングル、ダンバインなどのキャラデザインをした人 声優の塩沢兼人と三輪勝恵はもちろん説明不要だろう つまり手塚治虫を中心に日本のアニメ黎明期の伝説の人材と、本作制作当時の第一線の超売れっ子達が合体した、新旧のドリームチームだということだ 制作陣がオールスターなら、本作に登場するキャラも手塚作品のキャラのオールスター総出演 手塚治虫の集大成という意図であったのだと思う 本作は冒頭10分以上台詞がなく音楽だけで進行する 演出も洋画のミュージカル的 ディズニーの「ファンタジア」を想起する人も多いだろう そしてあの「W3 」や「悟空の大冒険」を懐かしく思いだすはず 本作は新旧の日本アニメの代替わりを象徴しているように思う 手塚治虫は1989年に60歳で病死してしまう 長生きされたなら、どれほどの傑作が多数生まれたことかと残念でならない 宮崎駿は当時39歳、手塚治虫の13歳歳下 本作には「カリオストロの城」公開直後で参加していない この後、手塚治虫と入れ替わるように宮崎駿は、1984年「風の谷のナウシカ」、1986年「天空の城ラピュタ」、1988年「となりのトトロ」と数々の傑作を量産していく そして庵野秀明は当時まだ20歳 大阪芸大に入学する1カ月前 伝説のダイコン3は翌年の1981年のこと 「風の谷のナウシカ」からプロとしてアニメ業界に関わり、1988年「トップをねらえ!」で初アニメ監督、その後のことはご承知の通り つまり本作は手塚治虫のライフワークの句読点であっただけでなく、図らずも日本アニメの歴史にも句読点を打っていたのだ アニメファンで「白蛇伝」から日本アニメの傑作、重要作品はほとんど観ているよと自認されている方なら、当然本作は観ていると思う そうでないなら肩身が狭いと思う
結婚した女と捨てたゴミはあきらめたほうがいい
「結婚した女と捨てたゴミはあきらめたほうがいい」なんて諺があるのか(笑) 政治家ロックやロボット・オルガ、未来編やら望郷編やら復活編やら、みんなまとめてストーリーを新たに作ったといった感じ。その色んなエピソードの中でもメインになるのが、育ての母だったオルガに恋していることに気づいたゴドーの物語だ。乱開発により地球が滅びていく部分なんてのは、何度見ても凄まじい。だけど、結局はゴドーの命と引き換えに多くの人間を火の鳥が命を与えて終わった・・・ 恐ろしい形相の火の鳥との戦闘シーンなんてのは、どうしても未熟なアニメといったイメージが残る。当時であっても松本零士の映画や、宮崎駿作品が登場していただけに、つぎはぎだらけの映像には耐えられない・・・ブラック・ジャックも登場させるなんてのは反則技。松本の影響か?
ロックの声がシャア少佐、クール。 オルガかわいい。嫉妬してスパーク...
ロックの声がシャア少佐、クール。 オルガかわいい。嫉妬してスパークしたりする場面が何度もある。ロボット扱いしてわり酷い事も言ったりするのだが最後は自分の心に気がつくゴドー。 火の鳥の名を冠する他の作品とは、火の鳥の在り方がかなり違っている。
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