海がきこえるのレビュー・感想・評価
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大人になって観てみるとすごくいい
大昔にレンタルビデオで観た時(中学生の時かな)は、そこまで強い印象を持てなかった作品だった。スタジオジブリの作品としては他のものとは毛色が違うからだろうけど、今観るとすごくいい。スクリーンで見たせいもあるだろうけど、大変新鮮な感覚。冒頭の吉祥寺の駅のプラットフォームの雰囲気が懐かしくて、作品世界にいきなり魅了された。東京と高知を舞台に描く10代後半の青春映画だが、当時の等身大の男女の機微を捉えた脚本とアニメーションの繊細な芝居ですっかり引き込まれてしまった。
主人公の視点で展開される形式で、ヒロインが何を考えているかわからずに主人公をガンガン振り回していく。でも、なんか嫌じゃない。回想形式で語られるからというのも嫌じゃない理由の一つなんだろう。終わって観ればいい思い出、というやつだ。テレビのトレンディドラマのように劇的な展開はないのに、心に居座り続ける心地よさがある。
青春映画としては恋愛が成就しなかったので「ほろ苦い」系になるんだろうけど、全然苦くない鑑賞体験なのがいい。かけがえのない瞬間は、それだけで貴重であるということをすごく説得力もって描いているのがすごい。
飛躍のない物語はおそらくジブリらしくないと言えるんだろうけど、こういう地に足ついた人間ドラマをきちんと描けるのも日本アニメの魅力だ。
The 青春ストーリー
リバイバル上映していたので、観てきました!
本当に誰しもが…とは分かりませんが、理想的な青春時代の様子を鮮明に描いている作品だなと感じました。またこの作品は、ジブリ作品ですが、宮崎監督や高畑監督が関わっていない奇作でその点においても面白いです。
金曜ロードショーなどで放送されない理由の場面がありますが、CMでその場面をカットしてテレビでまた見てみたいものです。
また里伽子と拓が東京のホテルで宿泊する(実際は里伽子の両親が離婚し、母の地元である高知に戻ってきたのだが、秘密裏に母にバレないよう計画を企て、父のいる東京🗼に戻り、前の日常に戻りたいと思っていたが、父はもう相手がいたのを知り、里伽子と同伴していた拓は里伽子の父にホテルを手配してもらい、後に里伽子も拓のいるホテルに逃げて来た。)とき、異性という関係でいるのに何も起こらないということに意見を言った宮崎監督さんのことも分からないこともないが、里伽子と拓はお互いはっきりとした気持ちがつかめずギクシャクしており、そういうような考えができなかったと僕は感じました。
音楽もとても素晴らしいです。少しぎこちないテンポ…いや、青春という人間の不安定な時期に対してマッチしており、拓や里伽子の心情 気持ちを心臓の鼓動のように伝えているのだろうとアニメーションとまたマッチし、音楽が流れる上で説得力と妙な立体感を味わう事が出来ました。
ファンタジックなイメージと戦争が絡み合ったイメージ、そして高畑監督 宮崎監督 鈴木敏夫さんのイメージ的な、キャラが多いジブリですが、たまにこういう作品を見ると感動🥲します。
日常的でジブリじゃない!!という人も少なからずいるでしょう。しかし、このような作品があるからこそ、表現の仕方や音楽、立体感のあるアナログ映画に説得力を持たせ、青春という不安定ででも、人生の一つの山場となるエピソードだということ極めて鮮明に描いていることを再確認しながら鑑賞してほしいです。
今や鬼滅の刃がまたも河の波に乗るように流行していますが、この作品にも光を当て、多くの人にみてもらいたいものです。
リバイバル上映で初めてみました。 1993年の作品ですか。 その当...
これほど変わるとは…
ま、秀作。ジブリなヒロイン像は好かぬが。
繊細だが普通の若者の青春の一コマ。それがいい。
1993年日本テレビ系でテレビ放送されたスタジオジブリ制作のスペシャルアニメがリバイバル上映。
望月智充監督ら“スタジオジブリ若手制作集団”とスタッフによる作品。
土佐・高知を舞台に男女高校生が辿る青春の軌跡。
等身大の青春、若さ、静かな情熱、当時の空気感や普段着の若者ファッションなどが詰まってます。
作り込み過ぎない自然なデザイン、動画、モノクロ・コピーに着色したような背景なども新鮮。
これだけ身近でリアルな作品は、当時本当に画期的でした。
本作もジブリあるあるで、本編よりもエンディングに映る絵が微笑ましくて温かい。
余談ですが、1995年12月25日には、テレビ朝日系列でクリスマスドラマスペシャルとして本原作の続編『海がきこえるII〜アイがあるから〜』の実写ドラマが放映。
当時の第20回ホリプロタレントスカウトキャラバンで「コンテスト兼ドラマヒロインの選考」として、里伽子役が公募され、43723人からえらばれた佐藤仁美!がグランプリ、本作でデビュー!
テレビドラマ初主演となる武田真治が杜崎拓役で出演してましたとさ。(ドラマの話は全く知らなかった。)
宮沢りえか石田ひかり
ええねェ
懐い夏はあつい。映画館で観れて良かった。
12歳の春、偶然テレビ放映で観てずっと心に残っている作品。主人公たちを小僧の私が見る形だ。高校生とはこんなにしっかりしているのかと、遥かに年上のような登場人物に憧れた気がする。そして、当時の私の境遇などが懐かしくなり思い出してしまった。もはやこの作品は私の人生になくてはならない重要なスパイスである。
包容力があり明朗快活、好青年で完璧じゃなく少し隙も見せてくれる杜崎拓。我儘で奔放で、拓を存分に振り回す武藤里伽子。そして深い優しさと、静かで穏やかな男前松野豊。この3人はやはり魅力的だが、とりわけ里伽子の破壊力は凄い。謎の美少女的なのがいいが、アウェーに1人乗り込んで、文武両道、孤高で周りに迎合しないスタイルはやっぱりカッコいいと思う。頭の回転も速い。並の人間には出来ないであろう。そして時折見せる物悲しい挙動。それは杜崎や松野も沼る。清水と里伽子はやはり気の強い者同士で合わないのかな、とかついつい大人目線で見てしまった。
私は今年44歳。映画を見終えて、31年前に初めて鑑賞したときの、えも言われぬ気持ちなどは薄れてきている。だが何故この物語が胸に響くのか少しわかった。3人とも間違いなく心が爽やかで溌剌として綺麗なのだ。それが伝わる素晴らしいアニメである。またいつか観に行きたい。爽やかな心とふれあうために。それまで頑張って生きていたい。そう思える名作である。
1993年をそのまま切り取る
共感と恋の違い
学生から大人になっていく年代のほろ苦い日々を郷愁いっぱいに描く名作
1993年の作品ですが昨今30年以上経て昨今 再評価されているスタジオジブリの隠れた名作
鈴木敏夫プロデューサーや宮崎駿監督が当時 若手に好きなようにやらせてみようということで誕生した作品とのことで、ジブリ作品っぽくないジブリ作品(笑)
本作は雑誌連載からTVドラマとして作られた作品、でも当時の4:3の画角ではなく映画っぽくビスタサイズで作られたとのことで劇場でかけても充分見映えのするというのが素晴らしいですね
公開当時からちょっと遡った頃は私もちょうど主人公達と同じ青春時代を過ごしていたリアル世代
本作を観ていて当時のいろんな思い出が走馬灯のように頭をよぎり、とてもノスタルジックないい気分になりました
カセットデッキやラジカセから流れるFM放送のポップス、スマホが無く家に電話がかかってきて親に呼ばれる文化や公衆電話、駅のホームに落下防止のゲートが無いなど、当時の当たり前だった風俗がたくさん描かれ、とても懐かしく、もう一回、あの頃に戻ってみたいなとすごく思いました
主人公の拓、親友だった松野、そして意地っ張りでワガママな里伽子のトライアングルが絶妙で“あるよな〜、わかるよ”って思うし、若い頃のちょっとした事での友情の亀裂、そして大人になってからの和解とか、当の本人達は一所懸命で怒るかもしれないけど、観ているこっちは若いのっていいなと思って清々しい気分になれました
里伽子みたいな子ってホントいましたね
自分勝手でワガママ、でも可愛いから気になっちゃう、100%本気で怒れない、みたいなズルい子、懐かしいなあ(笑)
本作は存在も知らず見逃していましたが、今回の劇場リバイバルで初見、とても心に残る良い作品で、また夏になると観たくなるお気に入りの作品が増えました
こうやって未見の名作を劇場で観られる昨今 流行りのリバイバル上映がほんとに嬉しいです(感謝)
映画館で観れて幸い
私、ジブリ作品がちょっと苦手なのですが本作品はジブリ色(メルヘン、芸能人で固めた豪華声優陣)控えめなせいか“これなら観れる”という事で今回のリバイバルで初めて観ました。
なんか刺さるストーリーでワガママ里伽子は女の子あるあるですね。それに振り回される拓くんが青春だね。若い時て相手の言動を間に受けてムキになってしまう痛い時期ですな。
制作は若手のみで作られたそうですが
“嘘やろ、レベル高すぎ!”
豆粒ぐらい人物の動きにも手抜きがないし、
公衆電話のぐるぐる線まで動かしてる。
何気なく停泊している帆船の揺れも心憎い。
実写を意識した画作りは後年のガイナックス「新世紀エヴァンゲリオン」に先行した試みなのでしょうか。
キャラ作りも怒りへと向かう表情なんか、なかなかできないですね。ジブリのアニメーターて演者でもあるのですね。
キャラクターデザイン・作画監督は近藤勝也さんか、やっぱり上手いなぁ。
里伽子のお父さんは眼鏡かけたサラリーマン風の人をイメージしたが、いい意味で裏切られました。
なんかリアルで本当こんな人、成城にいそうです。
松野役の声優上手いなぁとエンドロール見たら関俊彦さんが演じてるのか(機動戦士ガンダムSEEDのクルーゼ隊長)
音楽も良かったし古さを感じさせない、いい映画でした。結局ジブリの凄さを見せつけられたか・・・。
海外受けするトトロやポニョもいいんですが、こういう作品に、もっと光を当ててほしいです。
学園祭に「紅の豚」のポルコが座っているアニメーターの遊びに思わず吹き出してしまいました。
現代社会に刺さる。特に現役世代必見。学生も今観ておくと人生に生きると思う。
30代になって人生で初めて観たけど、これはジブリのダークホースですわ。
男女関係について、男は包容力、女は白馬の王子様から卒業できるか・自分を客観的に見られるか、が重要というか幸せの秘訣だと思うんだが、それを見事に描いている。
一旦、リアル世界の話になるが、さっき言った「男は包容力、女は白馬の王子様から卒業できるか・自分を客観的に見られるか」を実現するのは男女共にしんどいこと。
男側の話からだが、悪い意味じゃなく、女性はワガママで感情的な生き物。それを、冷静に分析する理論的な男が受け止めるのは難しい。
でも直感でもいいから、この人なら受け止めてあげたい、信じようと思えるのが第一段階。
実際にワガママ言われまくったり、感情的にぶつかってこられても、最後まで信じ続けられるか、時には自分の感情をぶつけられるか(もちろん行きすぎはダメ)が第二段階。
ただただ受け止め続けるだけでもダメ。それじゃあただの都合の良い男。そしてチャラ男に負ける。たまには愛を持って感情をぶつけることが大事。
時間かかってもここを共に超えられる女性は本物。
女側からすれば、ワガママは言ってみたほうがよい。男に対してムカつくことや言いたいこともたくさんあるだろう。言ってやれば良い。逆に言わないとそいつが良い男かはわからない。
そうやって感情ぶちまけたり、ワガママ言っても受け止めたり、時には感情ぶつけてくれる男は本物。
で、ここで注意点。表面的にはそうやって受け止めて向き合ってくれる男は多い。けど、そこにはチャラ男やら良くない男が潜んでいる。
見分けるポイントは、男側も「愛ゆえに(これ重要)」感情をぶつけたり、たまには耳が痛いことも言ってくれるか否か。
チャラ男やDV男は常に口が上手かったり子供みたいに怒るだけだし、ただ優しいだけの男は「愛として感情をぶつける」ことができない。
で、男女関係で壁に当たった時、他に「良さげな男」はごまんといる。白馬の王子様を求め始めたらキリはない。誰にでも欠点やぶつかることはあるんだから。そこで、感情で判断しない。一回乗り換えて後から見返しても良いけど。とにかく、簡単には「はい次〜」をしない。
以上、ボキャブラリーないからうまく言語化できてるかわからないけど、男女とも現物で勉強してくださいな(笑)。
でまあ、作品の話に戻るが、本作は今言ったことを見事に描いている。感服した。
男女共に、本作の異性や同性にムカついてるようではまだまだ。あなたも同じ穴の狢ですよ。だからムカつくの。
大人の階段登れた人には「そんなころもあったな」と、とたんに甘酸っぱく思えるはず。
特に現代社会は晩婚化と言われ、以前より結婚や恋愛に踏み切ることも難しい。
それは、なんでも正しさが求められたり、離婚が当たり前になったり、女性の活躍が当たり前になったり、逆に女尊男卑とか、いやいや男尊女卑だろとか、異性がディスカウントされる風潮のせいもある。
そんなギスギスした世の中の恋愛事情に、1石を投じる内容。ちょっと古いけど、それが良いんですよ。原点に立ち返ることも大事。人間関係を客観的に見ることも大事。
もうねぇ、学生〜現役世代にこそ見てほしい。
学生はまだ深くはわからないだろうけど糧にはなるし、描かれたファッションや文化に、今流行りのレトロやらエモさを感じられるはず。
現役世代でもがいている人には、単純に刺さるんじゃないかな。大人になれてないと、ムカついて終わりかもしれないが。
人生、男は「ボーイからマンになれるか」、女は一通りワガママ言いまくって感情ぶつけて、でも最後には「自分の見ていた世界が狭かったな」と思えるかが大事なんよ。これキーワード(原作含む)。
ぜひ視聴して、それを感じてほしい!
まだ感じられないかもしれないが、それも糧になる。
流れで原作も読んだけど、原作もいいよ!2部作だよ!
スタジオ・ジブリっぽくない青春アニメ
スタジオジブリにこんな作品があるとは知らなかったが、鑑賞して思っていたよりも良かった。ストーリーはよくある設定だが、当時の時代背景もよく描けていたし見事。舞台は高知と東京だが、特に吉祥寺の描き方が見事。ラストシーンの続きが観たくなった。大人になった武藤さんが杜崎君と久々に会ったらどうだっただろう。
刺さらなかったな…
全91件中、1~20件目を表示
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