「こんな時代があったなと思う」海がきこえる セイコウウドクさんの映画レビュー(感想・評価)
こんな時代があったなと思う
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大人のようで子どもだった年頃。自分をよく見せたいと思ったり、誰にも頼らないと強がったり、背伸びをしていたりしたあの頃。誰にもそういう時があるよね。
ジブリのキャラクターらしくないという声があるけど、それはジブリのキャラクターが特別なのであり、里伽子はどこにでもいる普通の人だから。
男のくせにとか、女には分からないとか、未成年が飲酒や喫煙をするシーンがあり、こういう時代だったなと思い出す。文化祭の後の打ち上げで、コークハイや缶チューハイ飲んでいたよね。店も未成年と分かっていて酒を出していたし、見回りの教師は、「帰りが遅くなるなよ」と言って見逃してくれて、そんな時代だったな。今では絶対にありえないけど。
少年や少女が大人になる前の、ちょっと危なっかしい年頃の空気感があった。ただ、時間が短く、里伽子の家庭事情や母親との関係などがよく分からない。ジェンダーやコンプライアンス等、現代の設定に直して、映像も脚本も作り直すとよいと思った。ジブリが若返り、若手の製作者が活躍するきっかけにしてほしい。
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