「とにかく不思議」Jam Films おこめさんの映画レビュー(感想・評価)
とにかく不思議
七つの短編からなる短編映画。一貫したテーマ等は無くそれぞれの監督が自由に独自の世界観を描いている。
とにかく上手い。たった15分そこらで一つの話が綺麗に完結している。
「the messenger-弔うは夜の果てで-」 北村龍平監督
ストーリーに関しては特筆すべき事は無いが、構図や演出がかっこいい。設定もなかなか面白い。
「けん玉」 篠原哲雄監督
短編としては一番綺麗にまとまっている作品。コメディ要素も面白いし、カップルの感情の動きも上手く表現できてたと思う。ただ綺麗すぎるかな。もっと荒々しい脚本で良いと思う。せっかく商業目的ではない短編なのに。
「コールド スリープ」 飯田譲治監督
星新一の短編集にありそうな話。近未来に対する警鐘とと人間の陳腐な欲望、エゴ等が上手い事組み合わさってる。これまた綺麗にまとまった作品。筒井康隆が出演してたのには笑った。
「Pandora-Hong Kong Leg」 望月六郎監督
エロい。なんといってもエロい。とにかくエロい。
「HIJIKI」 堤幸彦監督
悲喜劇とシュルレアリスムの交わりが心地よい。見ていて飽きないし、それぞれのキャラクターがちゃんと立っているので掛け合いも面白い。最初のテロップはいらないかな。
「JUSTICE」 行定勲監督
これが一番好き。とにかく笑った。カメラのアングルやキャラクターの下らなさなど雰囲気の作り方が好きだった。音楽のスピード感に合わせたような演出も見ていて気持ちいいし、何と言ってもブルマ最高。これに限る。
「ARITA」 岩井俊二監督
テーマやメッセージという意味ではこれが一番良く出来ている。視聴者に伝わりづらいが、そもそも伝える気があるのだろうか?結局ARITAの存在は何だったのだろうか?共感は出来ないが何となくの理解は出来る、そんな作品。