劇場公開日 1986年3月15日

「作品性はシリーズ中でもずば抜けている」映画ドラえもん のび太と鉄人兵団 okaoka0820さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5作品性はシリーズ中でもずば抜けている

2020年5月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

やはり1本あげるとなると、これになりそう。全作見をしてもやはり動かず。

ディティールを見ると粗かったりするし、物語の運びに幼稚なところもあるが、本作でしか感じられないピュアな切実さがある。ドラえもんにわざわざ求めない要素かもしれないけど、リルルというヒロイン像はドラえもん長編でなければ描けない存在だったとも思う。

また、本作はみんなの言動も他作にはないくらい芯を突くものが多い。たとえばのび太がリルルを撃とうとして撃てないシーン。ジャイアンやスネ夫がリルルを信用できない、と言い張るシーンもある意味らしくて良い。しずかちゃんとリルルの言い争いもそう。全キャラがとても生き生きしている。

そしてラストの展開は、ドラえもん映画の枠を越えて賞賛されるべきだと思う。非常にざっくりな演出が勿体ないけど、リルルが、生まれ変わりたい、と思い自ら操作、天使になる、という流れは何度見ても胸を打つものがある。しずかちゃんの号泣は全作中これがマックスだろう。

まあ、興収みてもそうでもなかったり、いまひとつな評価も実はわかる。これ、内容が完全に男の子寄りだし、家族向けにはちょっとハード。間口が狭いのだ。
でも、その作品性はシリーズ中でもずば抜けていると思う。

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okaoka0820