「少年動物誌の映画化、ではない」森の学校 ターキーターキーさんの映画レビュー(感想・評価)
少年動物誌の映画化、ではない
少年動物誌が原作ではありますが、映画化ではありません。言ってみれば昭和少年誌であり、「少年動物誌」が好きな人にはオススメしません。
「少年動物誌」が大好きで、それを原作にした映画ということで見てきました。「少年動物誌」の良さは、昭和初期の里山を舞台にした懐かしい雰囲気と、少年の瑞々しい感性で生き物と向き合うワクワク感や罪悪感への共感だと思っています。この「生き物と向き合う」がすごく大事な要素で、中心に少年と生き物の関係があって、他の人たちはそのオマケ。が、この映画は少年と家族を中心にした昭和のハートフルストーリーであり、生き物は少年の個性を出すためのオマケ。エピソードは散りばめられていますが、動物への掘り下げは薄い…と言うかほぼない。少年動物誌の内容を、動物に興味のない大人の目線で作ったらこうなるんだろうなぁ、と言う感じ。
戦争映画の前フリに描かれる昭和初期の平和な家族の日常、あるいはトトロの出てこないとなりのトトロ、みたいな雰囲気です。昭和のノスタルジーと家族のハートフルストーリーが見たい方には良いと思いますが、私が見たいのはそれじゃなかった。
三浦春馬の演技は素晴らしかった。合掌。
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