DISTANCE ディスタンスのレビュー・感想・評価
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ドキュメンタリー?
と思うほど、役者陣の演技も自然で、喋ってるところをそのままカメラ回している感じで、ブレもある。音楽もなく、ドラマチックでもない。家族が三年前に亡くなったカルト教団の信者の遺族たちと、そのカルト教団の元信者が一夜を共にすることに。各々もっと感情的になるかと思いきや、家族がどうだったかなどを聞く姿はある意味リアリティがある。3年という月日が経っているからだろうか。台詞も少なく、所々回想シーンに入り、家族が教団に自ら入っていってしまう、家族からすると奪われてしまうシーンは印象深い。実際そうなのだろう。ラストのARATAは一体誰なんだろうとモヤモヤした。教祖の息子?見舞いに行ってた人は誰?リョウは恋人?すっきりしない終わり方は好きではない。
タイトルなし(ネタバレ)
あの時代を過ごした人にとって、本作の生々しさはなんとも言えない嫌な感じがある。多くの人にとっては、オウムに家族を殺されたわけでもなければ、加害者遺族になったわけでもないだろう。それでも本作に通底する漠然とした不安、自分がどこに向かっているのかわからない感覚、どこからきたのかすらわからなくなってしまった感覚にはあの時代特有な不安感が呼び覚まされる気がする。
映画では、登場人物は最初、どこに向かっているかもわからない。車を盗まれ、ますます、行くべき場所を見失う。泊まる場所を見つけても不安はなくならない。自分たちはここでなにをしているのか。彼ら自身がわからないまま不安と向き合う。
自分はたまたまアラタや伊勢谷と世代も近く、舞台の一つになっている小渕沢も音楽フェスなどに行くために通っていたことがあってそうした個人的な記憶も生々しい感覚と関係しているかもしれない。湖畔で揺れる水面。遠くで鳴く鳥の声。風が木々を揺らす音。雨の匂い。土の匂い。都会育ちの自分にとってはそういう音の一つ一つが、あの夏の記憶を呼び覚ます。煙草のシーンでさえ、ヘビースモーカーだった当時の自分を思い出させる。
事件を起こした人間は狂ってるに違いない。それは事実かもしれないけど、一方では、ありふれた日常を送る僕らの隣人や家族、もしくは僕ら自身にあり得た物語なのかもしれないとも思う。どんな時でさえ軽薄に笑う伊勢谷を見てると、とても加害者遺族には見えない。穏やかな表情で優しく笑うりょうを見てると、とても加害者の見せる笑顔には見えない。
僕らはどこからきてどこへ向かうのか。本当は誰もそれを知らない。知らないくせに忘れた振りをして毎日を生きている。あの時もそうだったし、今でもそうだ。せっかく忘れたフリをしている僕らに、りょうは優しく呟く。終わりでも始まりでもない時間。サイレントブルー。終わって始まるその歴史に参加するのだと。狂っているとはなんだろうか。
井浦×伊勢谷×寺島トリオ再び♡
「DISTANCE」「ワンダフルライフ」「空気人形」は是枝監督なのか。「空気人形」は台本がはっきりありそうなところがちょっと違うけど、キャストも雰囲気も似てる。
「DISTANCE」は、「ワンダフルライフ」と同じくドキュメンタリーみたいな感じ。井浦様の役柄も似てる。自分の言葉で話してる感じが好き。
津田寛治の演技が下手やー。
遠藤憲一も出てきた。今も昔も家庭をダメにする役が多いね。
寺島元妻の笑顔がきもい。完全にいっちゃってる。寺島が暴れても全然動じないし、解脱の境地に至った感じ。
でもほんとに紙一重なんだと思う。私だって洗脳されて楽になるなら、たとえ犯罪者になるんだとしても洗脳されてみたいわ。あんだけ解脱できるなら。その一歩を踏み出すか踏み出さないか。
寺島が大声で掴みかかるシーン、運悪くコーヒーカップ持ってて驚いて盛大にこぼした。
やっぱ井浦様かっこいいなぁー。声がいい。一緒に森でタバコ吸いたいなぁ。授乳終わったら絶対タバコ吸う。
井浦姉が持っていたという雛菊の香り袋。
「孤独な鳥の5つの条件」について話すシーン。こういう時間の過ごし方ってないなぁ。意味のない時間というか。ないっていうかできないのかな、私には。でも、後から振り返ったときに初めて見えてくる意味もあるんだって昔よりは思うようになった。どうでもいいか。
「サイレント・ブルー」っていう時間。夜から朝になるとき。一日が終わって、始まっていく瞬間の時間。
「私はね、終わって、始まる、その歴史に、参加するんだ」
突然出てきた小淵沢行きワンマンカー!あの女の人の声懐かしい。数年のタイムラグはあるものの、同じ電車に乗っていた奇跡。
?な点。
①井浦様とりょうの関係は?井浦様は教団の人じゃないんだよね。
②りょうの弟は本当に自殺したのか?
③合成したり燃やしたりしてた家族写真は結局どこの家族?
④ロケ地は?w
疑問点を確認したいけど、すごーーーくゆっくり進んでいく長い映画だったから、育児中の私にはもう一回観る機会あるかしら。。。
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