サトラレ sato;ra-re TRIBUTE to a SAD GENIUSのレビュー・感想・評価
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個人情報保護法が施行されたのは2003年
国家的財産。サトラレ保護法。実際に思念派が出てしまう天才人間がいたとしたら、国家として保護するなんて有り得るだろうか。「国益」のためということで国家予算のかなりを割くこと自体、税金の無駄遣いであると言えるだろうし、1人のサトラレを守るために周りの人間のプライバシーが守られない。とても民主的であるとはいえず、その政策そのものが全体主義、帝国主義に繋がる怖れさえある。
サブタイトルとしてSAD GENIUSとあるが、悲しい運命にあるのはサトラレだけではなく、警護・保護する人間、近親の人間、近所の人間、職場の人間、等々すべての人間が精神的苦痛を伴い、運命さえ変えられてしまう。要は、障害者が健常人に溶け込むことと同じで、特殊な人間と扱うことが間違いの原因。普通の生活の中で、天才ぶりを発揮できないとしたら、これはナチの政策にも似た優性保護。防衛庁が管理しているところからしても、これは間違いないだろう。物語の展開としては、個人の尊厳といい方向に向かってはいるがサトラレ保護法に関する批判には至っていないように思える。
評判もかなり良いみたいですけど、サトラレの設定で、多分童貞で、嘘をつけないという純粋過ぎるくらいの男だったのが功を奏したのであろう。だけど、天才の割にはバカな発想ばかりしている。医学部受験や医師国家試験などは、周りの人はみんな合格したんだろうな~と想像できるところが面白いけど、出てこなかった・・・残念。
途中までは『世にも奇妙な物語』で使われるようなネタを延々と繰り返すだけ。唯一の身寄りである祖母(八千草薫)のオペを執刀するか、東先生(寺尾聰)が認めるかどうか、というメディカル・ヒューマンドラマにしたことで救われるが、「ごめんね、ばあちゃん・・・」の連発はくどすぎる。
TV版サトラレ、オダギリジョーのほうが断然いいなぁ。
思ったよりも深いかも?
予備知識なく観てみたが、思ったよりも考えさせられるものだった。途中から展開は読めたものの、最後はうるっとくるものがあった。
本人だけ知らず周りは知っているという設定は、私の好きな「Truman Show」に似ているが、これはこれでよいと思う。
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