「特攻隊操縦士のせめてもの親孝行がせつない」連合艦隊 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
特攻隊操縦士のせめてもの親孝行がせつない
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総合65点 ( ストーリー:65点|キャスト:65点|演出:65点|ビジュアル:65点|音楽:65点 )
第二次世界大戦における日本の海戦史をおおまかながらも忠実に追う部分と、それに参加した無名の数名の兵士たちの二つの視点がある。だが前半の部分はただ本に書かれてある歴史の薄っぺらい要約にすぎなくて物語としてつまらないし、摸型の飛行機や船が絵を背景に登場する映像もたいしたことないしでつまらない。歴史の解説に時間をかけすぎで、この部分は殆ど無くっても問題ない。敗色濃厚なマリアナくらいから物語を始めてもいいくらい。登場する軍人たちの演技もわざとらしさが目立つ。ただしそれまでのしょぼい船の摸型と違って、1/20の大きさで作られた大和の摸型だけは他とは迫力が違う。
後半になってから水兵やら飛行機の操縦士たちやその家族やらが中心になってきてからようやく映画らしくなってくる。それまでの歴史の要約編にすぎなかったものが、やっと死とは隣り合わせながらも生き生きとした登場人物たちの直面する戦争の話として動き出す。彼らが参加している戦争というものがここでようやく視聴者にも伝わってくるようになる。沈みいく大和を見ながら特攻隊の操縦士が言う「親よりも少しだけ長生きする」というせめてもの親孝行がせつない。
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