「とにかく、本当に面白い!」ルパン三世 ルパンVS複製人間(クローン) 時示郎さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0とにかく、本当に面白い!

2017年9月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

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怖い

興奮

いま新宿でMX4D劇場版最終の部を観て来ました。いや~本当に面白い! 改めてテーマ・プロット設定、造形美術、そして勿論音楽声優が現代の視聴にも充分に耐え得る力量を持つという証でしょう。冒頭からラストまで名場面・名シーンの連続なのですが、一見つまらない地味な存在の価値と輝き、他方大義名分やイデオロギーの空虚さやくだらなさ、この逆説的風刺が一貫されているところに時代を超えた面白さ・普遍性があるように感じます。そして永遠の叡智を権力への妄執に用いて人類史を操作するマモーが、どこまでも地べたを這いつくばるようなリアリスト(夢を見ない!w)のルパンの前に敗れ去るわけですね。造形美術の方は不二子ちゃんがテレビシリーズの美人像に拘らず、媚びた科(しな)を造る欲に眩んだ存在として生き生きと描かれており、荒唐無稽なドラマにリアリティを与えています。現代劇場の音響システムで大野雄二の楽曲(やっぱり’79やラヴスコールはいいですね!)や主要5人組の名調子を堪能するだけでも入場料分の価値はありますw 肝心のMX4Dですが、テレビで観るより特にマシンメカの重量感臨場感は段違いですね、不二子のバイクとか…リクライニングマッサージチェアの進化版みたいな造りで、倦怠疲労の改善にいいかも知れませんw 最後にやはりラストはルパン音頭の後に続けておなじみのルパン三世のテーマでこの名作を締めてほしかったというのが唯一の希望ですw ともあれ現代のこのタイミングで大復活した大傑作、スタッフ・キャスト・関係者の皆さんに大喝采を贈りたいです…本当にありがとうございます!

時示郎