劇場公開日 2023年10月27日

「命を削ったような自主映画」竜二 菜野 灯さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0命を削ったような自主映画

2023年10月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

映画の題名は知っていて、また、俳優・金子正次が公開後にすぐに亡くなって、命を削ったような遺作と感じていたものの、観たことがなかった。今回上映中ときいて、VOD配信もほとんどみつからないから、テアトル新宿まで夜遅い時間帯を観に行った。
約90分があっと言う間で、昭和の雰囲気に浸かることができました。俳優の声の質がいまと違うのは単なる録音技術の違いだけではないような気がする。当時の熱量が伝わってくる声音。それと、俳優・金子正次の粘り気のある目力、本気度MAXの目力、これこそこの映画の核、成り切った目してます。それと、永島暎子もその場に溶け込んだような演技で、自然な笑顔、自然な視線、まるでそのもののようにこちらもなり切っていて、俳優の力で血肉の通った映画になってます(監督の演出の力もあったはず)。

それと、最初に流れてきた主題歌、長渕剛?と思ったほど、萩原健一「ララバイ」の歌い方に似ている。長渕剛、デビュー当時は透き通った歌声だったのに、いつからか、こね回した歌い方に変わっていったけど、この映画を真正面から影響受けたと感じる。この映画の口上も歌詞に採用しているし、「とんぼ」の長渕キックもこの映画そのもの。この映画を何度も観て、主題歌も何度も聞いたのかもしれませんね。中高時代に長渕ファンだったので、そのルーツがここにあったと感じられ、夜遅く新宿まで行ってみた甲斐ありました。

テアトル新宿、オンラインで予約していったけれどチケット印刷する機器は置いてないんですね、また地下で電波つながらないので、メールのリンクのバーコード出せない(ま、メールのリンクそのものが壊れてったのでどのみち出せない状態でしたが)ので、メール本文で入りました。

菜野 灯