劇場公開日 1980年10月4日

「君は今確実に美しいんだよ。それは悪魔さえも否定できない事実。」野獣死すべし(1980/村川透監督) たぁ〜ちぃんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5君は今確実に美しいんだよ。それは悪魔さえも否定できない事実。

2014年3月13日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

興奮

難しい

君は今確実に美しい。それは神さえも超越している。

別荘で初めて殺しに手を染めた真田に言う長台詞は、松田優作自身が考えたそうです。
他にも詩の朗読2回に、長台詞2回。
アクション・スターから演技派への脱却を図った本作は、優作と脚本家がハードボイルドの原作をぶちこわし、原作者を激怒させるキチ○イ映画に変貌させました。

数々の戦場で死を目の当たりにし、死生観の変わってしまった男が、`汝、殺すなかれ´という神の教えに背くことで、神へ挑むが如く次々と人を殺していく。
そして、唯一彼を人として留めていた令子を自ら殺すことで、完全に狂気の世界へ行ってしまう。

もはや邦画界の伝説となっているエピソード、優作が本作のため、70kg→62kgに減量し、更に頬をこけさせるため奥歯を4本抜き、地味で目立たない男にするため、5cm足を切れないか?と医者に相談したなど、彼自身が狂気の世界に足突っ込んでます。

松田優作の存在そのものが映画を超えてしまった本作は、彼を知らない又は興味無い人が観たら、「なんじゃこりゃ!」と叫びたくなるのも仕方無いですね。

たぁ〜ちぃん