「人間ドラマの佳作」もず(1961) 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
人間ドラマの佳作
東京の下町を中心とした女のドラマは、主演の淡島千景を始めとして有馬稲子、山田五十鈴、乙羽信子、桜むつ子といった出演者達のアンサンブルが素晴らしいの一言。
更に中盤では、高橋とよさんによる楽天野村監督をも遥かに凌ぐ、ぼやきの連続で観客を大いに笑わせてくれる。
淡島・有馬コンビによるウェットでドライな母娘関係も絶妙だが、渋谷監督の描く風俗描写もまた見事。
男に媚びながら生きて行かなければならない悲しい女の生き方を通して映し出される戦後。
時折ハッとさせる場面が何度となく見受けられ、人間ドラマの佳作と言って良いでしょう。
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