「安部公房・「失踪三部作」の中で最も難解。。。」燃えつきた地図 Haihaiさんの映画レビュー(感想・評価)
安部公房・「失踪三部作」の中で最も難解。。。
1968年公開、配給・大映。
【監督】:勅使河原宏
【脚本】:安部公房
【原作】:安部公房〜『燃えつきた地図』
主な配役
【男(探偵)】:勝新太郎
【根室波瑠(依頼人)】:市原悦子
【田代(失踪人の部下)】:渥美清
【探偵の妻】:中村玉緒
【依頼人の実弟(ヤクザ)】:大川修
【喫茶店「つばき」の主人】:信欣三
【「つばき」の店員】:吉田日出子
【ヌードスタジオの店員】:長山藍子
【ヌードスタジオのバーテン】:土方弘
【図書館の女】:工藤明子
1.勅使河原作品
草月流いけばなの家元でもある勅使河原(てしがはら)。
長編映画は7〜8本しかメガホンを取っていない。
そのうち3本が、安部公房の失踪三部作だ。
『砂の女』、『他人の顔』、『燃えつきた地図』
の順に撮影された。
私もその順に見た。
冒頭の出演者のクレジットは、すべてアルファベット表記だ。最期も、ENDで終わる。
特に意味はなかったが。
ずっと、このような「匂わせ」に振り回される。
◆図書館で蔵書にイタズラ?する女(工藤明子)とのやりとり
「腹を据えたってやつか」、「卑劣漢!」、以上(笑)
◆妻との久しぶりの再会
◆失踪した根室の部下(渥美清)のウソと自死
◆タクシーの職業斡旋するなぞの喫茶店
すべてが壮大な?ネタフリだが、失踪人の行方とは繋がらない。
2.キャスティング
勝新太郎と市原良枝。
珍しい取り合わせ。
アクションらしいアクションは全くない。
おとなしい勝新太郎を初めて見た気がする。
ボコボコにされるのみ。
渥美清を冷たく拒絶するあたりは、「らしさ」が垣間見えるが。
3.まとめ
失踪、行方不明。
どこかに隠れているのか、
事件事故に巻き込まれたのか?
さっぱりわからない。
安部公房は、都市化と孤独について書いたらしいが、
たぶん、小説のほうがわかりやすい。
『砂の女』、『他人の顔』には
逃げられないシチュエーションや顔に負った火傷という、
イメージしやすい「状況」があった。
本作には、そういう手掛かり足掛かりがまるでなかった。いや、ありそうに仄めかされたが、実際はなにもわからなかった。
私の理解力では難解すぎ。
なにも分からなかった。
☆2.0