息子(1991)のレビュー・感想・評価
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聾唖の和久井映見が可愛すぎ
田舎から都会に出た息子二人(妹は地元で結婚→浅田美代子)と配偶者(音無喜美子?)に先立たれ、一人で岩手の雪深い村で暮らす父とののやり取り 男が一人で生活するのはこの時代ではかなりの難ありで、先ず長男が面倒をみようと頑張るが… 次にできの悪い私のような次男が聾唖の彼女を連れてきたりと…
人生色々 家族も色々 でも田舎ではあるあるですけど…
三國連太郎さんの円熟した演技に惹きこまれました
#神保町シアター さん特集上映『戦前戦後――東京活写 映画の中で生き続ける、失われた東京の風景』にて #山田洋次監督『#息子』(1991)を久々に鑑賞。
#三國連太郎 さんの円熟した演技に惹きこまれましたね。
対する #永瀬正敏 さん、#和久井映見 さんの瑞々しい演技。
さらに #いかりや長介 さん、#梅津栄 さん #田中邦衛 さん、# レオナルド熊さん、#ケーシー高峰 さん #松村達雄 さん #原田美枝子さん #浅田美代子 さん…脇も豪華で素晴らしかったですね。
バブル華やかなりし頃の1991年。
新宿界隈は高層ビルと古いアパート群が立ち並ぶ、ごちゃごちゃした街で懐かしかったですね。
2024年7月17日 追記しました
山田洋二監督得意の家族と恋愛の物語。
父と息子、男と女の人間関係、障害者とのコミュニケーションなど、当時の価値観をリアルに描いている。
田中邦衛さんと和久井映見さんの演技が良い。
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{追記}
2024年7月17日放送のBSトゥエルビにて再視聴しました。
VHSビデオや女性のファッションが懐かしいです。あらためて観ると、笑えて泣ける傑作ですね。三國連太郎さん、永瀬正敏さん、原田美枝子さんも魅力的です。
ピアノ伴奏のBGMが面白いです。
『進撃の巨人』のミカサが大事にしている赤系のマフラーは、もしかしたら今作からインスパイアされたのではないかと思いました。
大人になっても息子は息子
三國連太郎の父親っぷりが良かった
出来の良い長男より危なっかしい次男が心配
その次男の人としての成長っぷりに
思わず歌を歌って喜びを表す父親
将来の息子の幸せな生活を想像する親心
子供を思う親の心は永遠である
この頃やたらとオヤジの夢を見るのだ‼️
山田洋次監督が反発し合いながらも、やがて和解し、絆を深めていく父と子の姿を優しく描いてくれた名作‼️父親役で名演の主演の三國連太郎さんを始め、脇を固めるいかりや長介さんや田中邦衛さんなど、いわゆる山田組以外の俳優さんが多数起用されております‼️岩手に住む父は東京で真面目に暮らす長男よりも、デキの悪い次男が気がかり。次男はそれでも工員として真面目に働くようになり、美しい娘と知り合うが、彼女は聾唖者だった。上京した父は初めは戸惑うが、すぐに娘とも仲良くなり、ファックスを買って岩手へ帰っていく・・・。こういうテーマ、こういう設定の家族を扱うときの山田洋次監督はホントにうまい‼️全体を三章に分けた物語構成‼️「その一 母の一周忌」で主要人物の紹介を巧みに済ませる‼️「その二 息子の恋」で永瀬さん扮する次男の東京での奮闘が描かれる‼️なかなか定職につかない次男が、工員となり、いかりやさんや田中邦衛さんら、同僚に恵まれ、取引先の事務員の娘に恋をし、人間的な成長を見せる‼️聾唖者の娘に扮する和久井映見さんがホントにハマり役‼️観ている者をも癒してくれる存在で、この「息子」という作品の優しさや微笑ましさを象徴するようなキャラクターですね‼️「その三 父の上京」戦友会に出席するためと息子たちに会うため上京した父‼️長男は岩手に年老いた父を独り置いておけないと同居をススめるも父はやんわりと拒否‼️そして戦友たちも息子と揉めて老人ホームに入っていたりと、老後の生活という社会問題を提起‼️そして和久井映見さんのキャラクターに代表される障害者の問題、バブル期の仕事の問題など、当時の社会世相もさりげなく描いてあります‼️そして次男、娘、父の3人の対面シーン‼️最初は戸惑う父、やがて娘の優しさに触れ、「あんた本当にこの子の嫁御になってくれますか?」、うなずく娘、涙ぐみながら「ありがとう」と頭を下げる父‼️感動です‼️ほっこりします‼️あまりの嬉しさに夜中に起きてビールを飲み、歌い出す父‼️そしてニコニコしながら娘との連絡用のファックスを購入し、岩手に帰っていく父‼️そして家族仲睦まじい頃の思い出に浸るラストまで、美しい岩手県の四季折々の風景とともに描かれる父と息子の物語が、いつまでも心に残る奇蹟のような作品です‼️
地味に長男の苦労
今の時代、どんな田舎から上京して来てもあんなに訛りのある若者っているのだろうか、田舎者で純朴さを醸しながらあの頃の若者像を演じ切った永瀬正敏が清々しくもどこか危うい感じに好感が持てる。
T.Rex、マーク・ボランのTシャツを着てThe Clashの2nd「動乱(獣を野に放て)」のレコードが置いてある、そんな部屋のラジオから流れるキャンディーズって落差が面白い、戦地に行った爺さんは逞しい、そんな思い出を酒のツマミに、そんな同窓会的な、あの時代は盛んに行われていたのか、ある意味で怖くなる。
まだまだ面倒や心配を掛ける次男に対する方が父親としていれる訳で随分と楽なのだろう、慣れない土地で長男夫婦に世話になる遠慮と申し訳なさが親子の立場も逆転するようで、互いに真面目すぎるのも事がうまく働かない、社会に揉まれず良い意味で大人になりきれていない次男だからこその柔軟性が父親として文句を言いながらも居心地が良いのだろうと。
二人が田舎に帰って父親と三人で住む、そんなハッピーエンドを思いながらそれが幸せの選択肢とは限らない、三國連太郎が独り寂しく家路に着きノスタルジックな幻影に微笑ましくも哀しかったり、FAXを買った紙袋を持っている姿が、嬉しそうにしている、それだけで涙が出てくる。
切れない絆
産んでくれと頼んだわけでもないのに、なんでこんな親で、こんな子なのか?きっと、今も日本のどこかにこんな父と息子がいるに違いない、いつの世も変わらぬ親子の姿を観せてもらったような気がしました。本編が3つの章に分かれていますが、確かに自分の半生も連続的につながってはいても、こんな風に断片的な幾つもの章からできているような気もして、「同じじゃん!」と思いました。和久井映見さんが登場して光がともり、三國連太郎さんが嬉しそうに歌うシーンがすばらしいですね。
最高の邦画の一本。
三國連太郎、永瀬正敏、和久井映見、原田美枝子、みな最高。
永瀬正敏は何にも考えてなさそうな今風の若者に見えるのに、キツイ仕事でも自分に合うところをみつめて続けられたり、好きになった人にちゃんと告白したり、
人としての芯(根っこ)がちゃんとしてて、うらやましい。こういう人は幸せになるだろうなと思う。
長男の不器用さ、大企業で苦労してるだろうと見抜いている父親なので、次男のことも親がきちんと愛情持って育てたんだろうと思われる。
いきなり息子の婚約者に会わせられ、しかも相手がろう者だったのに、戸惑ったりせずきちんと向き合おうとする父親、人としての器、すごいと思った。
田中邦衛さんは、クセがある歪んだ性格の、でも憎めない汗水垂らして働く下っ端労働者の役やらせたら最高。
原田美枝子さん美しすぎ。良い長男の嫁で、義父のこと心から気遣ってはいるものの、本音は他にある、幼い子を持つごく普通の母親の演技がすごかった。
俳優さんもストーリーも最高。
家族関係を描いた最高の邦画ではないか。
老人の一人暮らしを考える
再見なんだけど、一人暮らしの母親と離れて暮らす息子としては考えることが多い。はたして慣れないところへ引き取るのが良いのか、心配だけどままが良いのか、この作品にも解はない。
雪深い自宅に入って懐かしむオヤジ殿をみると、やっぱり我が家なのかなあ、と思える。例えば、柱の傷に子らの名前が刻まれていたり、そんな人生のワンシーンを語るようなラスト直前の和気あいあい感が温かい。
それにしても、30年前の作品だと名優たちも随分亡くなっているなあ。
BSテレ東
どら息子が聴覚障害の娘と婚約を親父に報告する映画。
親父が最後に嬉しそうにしてる姿が印象的だった、体が弱いので病死のフラグだったのかもしれないけれど途中で物語りは終わる。田中邦衛の演技や和久井映見の笑顔に引き込まれる作品だった。
真正面に父と話したい
この作品の公開時にはまだ私は息子だった
その後しばらくして夫になり親になった
まだ、この作品の意味することが半分以下しか理解できなかったことを覚えています
噛み締めて観るにはまだ若かったのでしょうね
監督の作品の素晴らしいのは出てくる人々、一人一人に過去がありどんな家庭でどんなふうに育ったのか何となく見えてくる、そんな作品が多いと思うのです
『先生』での生徒それぞれの今や過去など、とても心に残っています
この『息子』、椎名誠さん原作だったのですね
椎名さんの本もさんざん読んできたのにすっかり記憶のどこかに追いやってしまったようです
息子達なのか息子単品だとしたらやはり末っ子のことなのか見る者によって心に響く部分は違うのでしょう
兄の気持ちもわかります弟の気持ちも
そして父の気持ちもわかる歳になりました、我が家もそうです
三十年前の作品でも、今と何ら変わらない家族の行き交う気持ちがそこにあるのです
親の老い、息子達の苦悩と成長、明日への希望
全部ひっくるめて家族なのですね
父と末っ子の嫁の対面シーンは胸が熱くなった。 31年前にこの映画を劇場で見たのだが、 あの時と同じ感動があった。
BSテレビ東京で映画「息子(1991)」を見た。
劇場公開日 1991年10月12日
1991年製作/121分/日本
配給:松竹
三國連太郎
永瀬正敏
和久井映見
田中隆三
原田美枝子
浅田美代子
山口良一
浅利香津代
ケーシー高峰
浜村純
佐藤B作
いかりや長介
梅津栄
渡部夏樹
レオナルド熊
中本賢
小倉一郎
村田正雄
松村達雄
中村メイコ
音無美紀子
奈良岡朋子
田中邦衛
永瀬正敏は岩手の農家の末っ子。
東京に出てアルバイトや日雇いで気ままに暮らしていた。
しんどい仕事やいやな仕事はやめてしまえばいい。
そんな無責任な男だった。
鉄材の運搬をやる仕事に就いた永瀬正敏は、
得意先の女性従業員・和久井映見に好意を持つ。
手紙を渡そうと彼女を尾行。
今ならストーカー的な行為だが、
当時はOKだったのかなあ。
岩手から父親(三國連太郎)が東京に出かけてきた。
戦友会に出席するためだったが、
長男の家と末っ子の家も訪ねることになる。
末っ子の家を訪ねた父親は息をのんだ。
「こんなめんこい嫁っ娘がうちの息子のところに来てくれるのか?」
父と末っ子の嫁の対面シーンは胸が熱くなった。
31年前にこの映画を劇場で見たのだが、
あの時と同じ感動があった。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
息子の幸せを見る事こそ親の最大の満足
三國連太郎扮する浅野昭男は、妻を亡くして一周忌を迎えた。永瀬正敏扮する勤め先もはっきりしない息子の哲夫は、東京から慌てて岩手へ帰った。家族は皆、昭男の一人暮らしを心配していたが昭男は力んだ。長男は千葉に大きなマンションを買ったとは言ったが、家族としては心配だとは言いながら誰も父親と一緒に住もうとは言わなかった。哲夫は、仕事で知り合った和久井映見扮する口がきけない征子と恋仲になっていくが、さて父親がなんて言うか? 実際、家庭を犠牲にして年老いた頑固な父親とは一緒に気楽に住めるものではない。妻を亡くした親父なんてどうしようもないんだろうね。出来れば夫が妻より先に逝く事が本当の幸せかもしれない。そして息子を頼ってはいけないが、息子の幸せを見る事こそ親の最大の満足なのかもしれない。特に和久井映見ほどの美人ならなおさらだね。
淡々と描くことが逆に暖かみを感じる
淡々と描いている中に、しみじみと深い愛情のような暖かみの感じる映画。
永瀬正敏演じる次男と和久井映見演じる娘が婚約に至るまでの過程をすっぽり省いていて、あれ?どこか早送りしてしまって見落としたのか?と思ったくらい。
このとき、これは父親の主人公の物語なのか、三國連太郎の主役の映画なのかと思い、そのままラストは三國連太郎のカットの流れでエンディングとなって、そうか、これは息子を思う父親の話しなのか、父親が主人公だったのかと思った。
最後のシーン、雪に閉ざされた岩手の一軒家に帰ってきた三國連太郎演じる父親が心臓発作か何かで亡くなってしまうのではないかとドキドキっとしたけれど、そのまま淡々と家屋の広角カットで終わるところもリアルで逆にほのぼのとした。
まるで、その家族を傍から見ているようなそんな感じにさせてくれるリアリティのある映画。
本作息子と学校Ⅲは表裏一体なのかもしれません
本作は1991年公開です
そして学校Ⅲは1998年公開です
バブル最高の株価をつけたのは1991年早春の事でした
本作のラストシーンがその年の早春です
一方、学校Ⅲが公開された1998年はバブル崩壊が遂に大崩壊に至った年です
前年の1997年には一流の大企業であった山一証券や、北海道を代表していた北海道拓殖銀行が経営破綻し、公開5日前には日本長期信用銀行までが破産するに至っています
つまり本作バブル絶頂期に至る戦後日本の良い時代の人生を扱っています
そして学校Ⅲではバブル崩壊後の人生とは何かを扱っているのだと思います
本作での三國連太郎は、恐らく60代半ば
二人の息子はそれぞれ40歳前後、30歳手前くらいに見えます
その間に娘が生まれたのでしょう
長男と娘は団塊の世代そのものです
次男は団塊の世代の下の世代です
父は1920年代後半の生まれでしょう
戦争に行ったのは20歳前後の事でしょう
彼は復員して結婚し、二人の息子と長女の三人の子供をもうけ、岩手で農家をしながら三人を育て上げる為に、農閑期は東京に出稼ぎをしてきた人です
その人生がラストシーンに凝縮されています
正に戦後日本の辿った姿が彼の人生にそのままリンクされているのです
その彼の人生も終わろうとしています
日本も登り坂の時代は終わろうとしています
後は子供達がしっかりとそれぞれの人生を送ってくれたら思い残すこともない
娘はしっかりとした主婦となり心配は無い
長男は彼なりに東京で苦労はしていても頑張っている
しかしバブル崩壊の予感は微かにある
その後を託すべき次男の世代はまだまだ腰がざまらない
それは将来の日本への不安そのものが投影された人物だったのです
しかし、その次男もしっかりとした偏見を持たず真っ直ぐに育ってくれていた事を知り嬉しくて仕方無かったのです
冒頭の外国人のバイト仲間に優しい声をかけ、序盤の葬式後の場面で二人の幼い女の子になつかれているシーンはその人物説明です
いいではないか!はそこに直線でつながっているのです
和久井映見の美しさ可憐さは素晴らしく、この配役は大成功です
彼女でなければ本作はこれほどの成功は無かったのではと思います
父のその後、息子たちのその後は本作では語られません
長男は学校Ⅲにつながって行く運命かも知れません
次男の鉄鋼店はバブル崩壊で倒産しているかも知れません
それでもあの夫婦ならきっとなんとか生きていると思いたいです
岩手に夫婦で帰って父と暮らして農家になっているかも知れません
逆に、次男は懸命に働きすぎ過労死で死んでしまい、聾唖者の妻には学校Ⅲのような運命につながって行くのかも知れません
本作には現役を退場していこうとする世代の人生が、戦後日本と21世紀の未来に向けての思いが重ねられていたのだと思います
その21世紀の未来は今なのです
長男も次男も本作の父の年齢になっているころなのです
父と同じ歳になった息子が、一人寂しくワンルームのアパートに帰ってきた時に見る若い時の家族達が揃った幸せな幻想
それは本作の中のシーンなのです
長男はホームビデオの中の映像
次男は父がアパートに訪ねて来た夜のことかも知れません
名作です
泣きはらしました
めちゃくちゃ良映画やった…
始め数十分はまったりとしていて油断してたけど、永瀬正敏の「いいではねぇか!!」あたりから人間関係が加速してラストは感動と哀愁の深い溜め息漏れました。この老人と家族のお話を「息子」と題したのもミラクル。山田洋次しゅごい。ファックス買う道中の笑顔。
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