「この頃やたらとオヤジの夢を見るのだ‼️」息子(1991) 活動写真愛好家さんの映画レビュー(感想・評価)
この頃やたらとオヤジの夢を見るのだ‼️
山田洋次監督が反発し合いながらも、やがて和解し、絆を深めていく父と子の姿を優しく描いてくれた名作‼️父親役で名演の主演の三國連太郎さんを始め、脇を固めるいかりや長介さんや田中邦衛さんなど、いわゆる山田組以外の俳優さんが多数起用されております‼️岩手に住む父は東京で真面目に暮らす長男よりも、デキの悪い次男が気がかり。次男はそれでも工員として真面目に働くようになり、美しい娘と知り合うが、彼女は聾唖者だった。上京した父は初めは戸惑うが、すぐに娘とも仲良くなり、ファックスを買って岩手へ帰っていく・・・。こういうテーマ、こういう設定の家族を扱うときの山田洋次監督はホントにうまい‼️全体を三章に分けた物語構成‼️「その一 母の一周忌」で主要人物の紹介を巧みに済ませる‼️「その二 息子の恋」で永瀬さん扮する次男の東京での奮闘が描かれる‼️なかなか定職につかない次男が、工員となり、いかりやさんや田中邦衛さんら、同僚に恵まれ、取引先の事務員の娘に恋をし、人間的な成長を見せる‼️聾唖者の娘に扮する和久井映見さんがホントにハマり役‼️観ている者をも癒してくれる存在で、この「息子」という作品の優しさや微笑ましさを象徴するようなキャラクターですね‼️「その三 父の上京」戦友会に出席するためと息子たちに会うため上京した父‼️長男は岩手に年老いた父を独り置いておけないと同居をススめるも父はやんわりと拒否‼️そして戦友たちも息子と揉めて老人ホームに入っていたりと、老後の生活という社会問題を提起‼️そして和久井映見さんのキャラクターに代表される障害者の問題、バブル期の仕事の問題など、当時の社会世相もさりげなく描いてあります‼️そして次男、娘、父の3人の対面シーン‼️最初は戸惑う父、やがて娘の優しさに触れ、「あんた本当にこの子の嫁御になってくれますか?」、うなずく娘、涙ぐみながら「ありがとう」と頭を下げる父‼️感動です‼️ほっこりします‼️あまりの嬉しさに夜中に起きてビールを飲み、歌い出す父‼️そしてニコニコしながら娘との連絡用のファックスを購入し、岩手に帰っていく父‼️そして家族仲睦まじい頃の思い出に浸るラストまで、美しい岩手県の四季折々の風景とともに描かれる父と息子の物語が、いつまでも心に残る奇蹟のような作品です‼️
活動写真愛好家さん
コメントへの返信を頂き有難うございます。
何回も観ていらっしゃるのですね!
三國連太郎さんの少しとぼけたような表情、絶妙の間、ちょっと不器用なタイプの父親像を巧く演じていらっしゃいますよね。