劇場公開日 1991年10月12日

「真正面に父と話したい」息子(1991) カルヴェロ1952llさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5真正面に父と話したい

2022年9月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

幸せ

この作品の公開時にはまだ私は息子だった
その後しばらくして夫になり親になった
まだ、この作品の意味することが半分以下しか理解できなかったことを覚えています
噛み締めて観るにはまだ若かったのでしょうね
監督の作品の素晴らしいのは出てくる人々、一人一人に過去がありどんな家庭でどんなふうに育ったのか何となく見えてくる、そんな作品が多いと思うのです
『先生』での生徒それぞれの今や過去など、とても心に残っています
この『息子』、椎名誠さん原作だったのですね
椎名さんの本もさんざん読んできたのにすっかり記憶のどこかに追いやってしまったようです
息子達なのか息子単品だとしたらやはり末っ子のことなのか見る者によって心に響く部分は違うのでしょう
兄の気持ちもわかります弟の気持ちも
そして父の気持ちもわかる歳になりました、我が家もそうです
三十年前の作品でも、今と何ら変わらない家族の行き交う気持ちがそこにあるのです
親の老い、息子達の苦悩と成長、明日への希望
全部ひっくるめて家族なのですね

カルヴェロ