劇場公開日 1951年9月14日

「溝口監督を世界のミゾクチに押し上げた秘密」武蔵野夫人 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0溝口監督を世界のミゾクチに押し上げた秘密

2020年5月4日
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鑑賞方法:DVD/BD

田中絹代42歳
しかしとてつもなく美しい
単なる美形なら、もっと綺麗な女優はいくらだっている
彼女の美貌は現代的でも群を抜く整い方でもない
それでも美しいのです

152センチの小柄で華奢
体重は40キロもあるかどうか
男性にどうしても庇護したい気持ちを起こさせます

小柄な女優なら、久我美子だって美しく清純で小さな体つきです

でも白い肌、聡明な顔つき、背筋の伸びた佇まい
気品、気高さ、軽薄を嫌う精神、落ち着き方
これは田中絹代だけにしか無いものです
令和に至るまで他に見当たりません

だから、なんとしても手に入れたい
彼女の魅力を理解できる男性はそう思うのは当然だと思います

本作はあくまで彼女を美しく撮るためだけに作られたのように思われてなりません

溝口監督が彼女を撮った1948年の夜の女たちで汚れ役に挑戦させたのとは正反対の態度です

田中絹代のファンならば、その溝口監督の彼女に恋い焦がれる視線にすぐに気付かされると思います

本作前年の米国からの帰国パレードで顰蹙を買ってスランプに陥った彼女を救い出したい
力になりたい、守ってあげたい
そんな視線が痛いほど伝わって来ます

この彼女への情熱が溝口監督を世界のミゾクチに押し上げた秘密なのかも知れません

あき240