「近藤善文氏の後世へに遺産」耳をすませば(1995) クリューガ60星さんの映画レビュー(感想・評価)
近藤善文氏の後世へに遺産
背景を見ているだけで当時の人達の直向きな想いが伝わります。設定は平成最初期ですが、背景描写は昭和50年台の初頭から中頃を用いている。思ひ出ぽろぽろ の寝台特急あけぼのに乗って山形へ行く。丁度あの頃。テレビでは山口百恵が空前の大スターとなり、ピンクレディ、キャンディーズが踊っていた。アナログオーディオ技術は一つの頂点を迎え、FM番組も脂の乗り切った佳作が数多く登場していた。秋葉原はオーディオマニアの殿堂だった頃、19cmオープンリールが回る薄暗い部屋でカラヤンのブルックナーが唸りを上げていた。その当時の背景描写が素晴らしい。これはもう書ける人がいないし、此れ自体が未来への遺産。近藤善文先生、有難うございました。
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