マルサの女のレビュー・感想・評価
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徹底した取材が迫真の出来を支える。
昔むかしに劇場で観た作品でした。
そのごく一部分とはいえ。普段は人の目に触れない(人の目に触れては困る?)税務職員の姿を描いた作品として、当時は税務部門で働いていた私も、興味深く観た記憶があります。
今回は、その記憶を踏まえての再観でした。
本作の特徴は…何と言っても、その徹底した取材ぶりでしょう。
続作となる『ミンボーの女』や『マルタイの女』『スーパーの女』の素地が本作で出来上がったのだと思います。
前記のように「税務職員の活躍ぶり」という素材と併せて…。
その高い写実性がとても印象に残る一本でした。評論子には。
そして、その写実性は、もちろん徹底した取材の賜物でしょう。
最初の頃に本作を観た際には気づかなかったのですが…。
最近に完成試写会を観る機会があった映画『じんじん』。
その企画・主演だった大地康雄さんは、本作にも出演していたのですね。
その「マルサのジャック・ニコルソン」という作品中でのニックネームには笑わせてもらいました。
でも…案外に言い得て妙かも(笑)。
おぉ、伊集院もなかなかイイ男にうつってんじゃないのという台詞の返し...
おぉ、伊集院もなかなかイイ男にうつってんじゃないのという台詞の返しで【なにしろマルサのジャックニコルソンですから】と言ったら後ろで笑い声がして、その音量がマイクにのるかのらないかなのが良い。リアル。
頭の部分しか似てないけどね。
公開から35年以上たつのに、テレビ番組などでお金の話しになるといまだにこの映画音楽が使われているのすごい。
バブル狂騒が産んだ傑作、怪作。
バブル期
悪い奴らもボロ儲けしていた時代。国税局調査官を“マルサ”と呼ぶことも初めて知った。最初に観た時には権藤の女が尻にティッシュをくっつけていたシーンがもっとも印象的だった。変なところでリアルにしてるんだなぁ・・・と。変なアングルと極端な演出、そして監督夫人を寝癖のついただらしないキャリアウーマンに仕立てたことが面白さを増してある。
晴れてマルサの女になった板倉。税務署と国税局の雰囲気の違いに尻ゴミするかというところで、彼女なりに能力発揮。この微妙な心理状態を演ずるのがすごい。また、色んな隠し場所の面白さ。「特定関係人(2号)」という隠語も参考になった。芦田伸介の「蜷川だ」、大地康雄が「マルサのジャック・ニコルスン」も笑えた。
ガサ入れの直前はドキドキもの。久しぶりに観たけど、面白い映画ですなぁ。赤穂浪士討ち入りの瞬間と同じ感覚になる。
脱税をテーマにした斬新で奇抜な娯楽映画の、俳優を生かした伊丹監督の優れた演出技量
伊丹十三、さすがでした。
国税庁査察部が、脱税を繰り返すラブホテル経営者に迫る物語。
邦画私的ランキング1位の作品です。
国税の査察にフューチャーした斬新さ、新鮮さ。それを活かしきったストーリー展開。
BGMもテンポ良く世界観にぴったりで物語を盛り上げます。
主人公と経営者の因縁も、経営者のお金に関する妄執も、エンターテイメント映画の完成度を損なわないレベルに抑えられ、良いアクセントになっています。
それだけに、ラストの経営者の息子のシーンは、個人的には蛇足に感じました。しかし、、映画全体の評価を下げる程ではなかったと思います。
マルサの仕事
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