「北斎展などにも行かれるような美術として興味のある方にはいささか期待外れとなるかと思います」北斎漫画 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
北斎展などにも行かれるような美術として興味のある方にはいささか期待外れとなるかと思います
「北斎漫画」とは本当は北斎が猫や人々など
様々なものをスケッチした画集を指します
北斎の大規模な展示会があると、有名な浮世絵とならんで、沢山の鑑賞者が鈴なりになるほどの人気の作品集です
ですが、本作はその画集は一切登場しません
あくまでも葛飾北斎の芸術家としてのパッションはどこから湧き出ていたのかを漫画的に描くという意味で付けられたらタイトルのようです
1973年に初演された矢代静一の戯曲の映画化です
ご存知、葛飾北斎が主人公
一応伝記映画ぽく壮年期から死ぬまでを描いています
しかし彼の世界的な浮世絵作品がどのように生み出されたのかというようなことにはほとんど重きを置いてしません
全裸の樋口可南子と触手系クリーチャーの大ダコの絡みのシーンに辿りつくためにそれまでの全てのシーンがあると言ってよいと思います
そのシーンは値打ちあります
序盤のお直の脱ぎっぷり、妖しさ
それは見応えがあり鑑賞しがいもあります
しかし、北斎展などにも行かれるような美術として興味のある方にはいささか期待外れとなるかと思います
新藤兼人監督ファンとしても、さすがの演出力には感嘆もすれども期待外れでした
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