「当時は化け猫女優なる言葉があったほど」亡霊怪猫屋敷 うにたん♪(コロナが当たり前の世界)さんの映画レビュー(感想・評価)
当時は化け猫女優なる言葉があったほど
この類いの映画で猫のイメージは著しく下がったのではあるまいか?
犬は忠犬みたいに言われていたが、猫は怪猫のイメージがついたように思う。
飼育数で猫が犬を追い越した現代には「なんじゃこれは?」取られ方をしそうである。
しかしご丁寧に、現在編と過去編と分けて分かりやすくしているのは、当時の観る側の理解度に合わせての事か?と思ったり。
尺が67分とほぼ短編程度で小細工無しでドンドンぶっ込んできます。
冒頭から黒猫を車で轢きそうになる所から、転地療法で引っ越した家が幽霊屋敷とか言われてる時点で「(ノ´Д`)ノあんなとこ、やめとき~」なのだが、妻が婆さんの亡霊が見え、しかも首を絞められると言う展開。
引っ越し先に侵入してくる婆さんに「あらどちらから来たの?」とかのんびりした時代ではある(笑)
妻、頼子の状態から彗善和尚に相談する久住哲一郎
そこから彗善和尚の昔話が始まる。
そして定番のキチガイ家老、将監さま(笑)
異常に癇癪もち。
小者の佐平次でも些細な事で切り捨てようとして息子の新之丞に諌められるほど。
碁の指導に呼んだ家臣の小金吾を忖度無しの勝負と言いつつ、待った待ったの接待要求、挙げ句切り殺して帰らぬ息子を待つ母親に「息子は修行の旅に出た」と失踪報告。小金吾の霊が母に訴え母は家老の許へ出向くが、母までも狼藉の限りを受けると言う家老の鬼畜ぶり
そりゃ呪われるわ(笑)
家老の狼藉はそこに留まらす、息子新之丞の身分違いの恋人の腰元八重にまで手を伸ばす。
鬼畜ぶりここに極まれり。
小金吾の母が無念のあまり飼い猫に祟り成すように伝え、自決すると化け猫となって飼い主の無念を晴らしにいく。
この作品で壁に死体を埋め込む…や
化け猫が腕をクイクイッてすると人間が糸に囚われたようになるなど、この類いの演出はこの辺から始まったのか?と感心した。
幽霊屋敷に住んだ夫妻に祟るのは結構だか、お門違いの気がする。家老に遣えてた佐平次の子孫が頼子で、まだ祟るって坊主憎けりゃ袈裟まで憎い…なのか?
それにしても、御札を貰っても申し訳程度にしか貼り付けないのは如何なものか?(笑)
ラストはあっけらかんと終わるのが時代やなぁ。
ミイラ(小金吾)供養したら、頼子の病気まで治り、猫好きになるとか(笑)
昔の人はこんなんで怖がれたんやなぁ。微笑ましい。