忘却の花びら

劇場公開日:

解説

菊田一夫作のNHK連続ドラマ“忘却の花びら”を、映画化する悲恋メロドラマ。脚色は「あばれ鳶」の八住利雄、監督は「浮気旅行」の杉江敏男、撮影は「おかしな奴(1956)」の完倉泰一が担当する。主な出演者は「江利チエミの サザエさん(1956)」の小泉博、「日蝕の夏」の司葉子、「花嫁募集中」の草笛光子、「天上大風」の池部良、「おかしな奴(1956)」の安西郷子、「蜘蛛巣城」の久保明、「おしどりの間」の淡路恵子、「山と川のある町」の志村喬、「いで湯の姉妹」の若原雅夫など。

1957年製作/101分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1957年1月3日

ストーリー

鵜ノ木恭助は、ある日湘南電車に飛込もうとする若い女を救った。一方この電車の乗客、一宮鮎子は鎌倉で下車、建築技師藤崎克巳を訪れた。藤崎は鮎子に驚いた。それは終戦直後、満州で別れ別れになった恋人一宮葵の妹であった。鮎子は、満州で姉と別れ一人内地へ帰るとき姉に頼まれた日記を届けに故郷の能登から来たのだという。翌日、克巳は上野駅に鮎子を送ったが互いに引かれるものがあった。葵は鮎子と満州で別れて以来全く消息を絶っていたが、それは満州で敵兵に身を汚されたため克巳の前にも姿を見せることも憚り遂に鉄道自殺まで企て、そこを恭助に救われたのである。恭助の家で葵は落着きを取戻し今は故郷へ帰り新生活へ踏出そうとまで考えていた。一方、克巳は鮎子と別れて三日目、彼女への思慕に能登の鮎子の家を訪れた。しかし鮎子は父孝祐の命令で実業家庄田との結婚の矢先にあった。克巳は鮎子の母に冷く追返され、独り能登の名所親不知を見物に出かけた。ところが帰途、黄昏のトンネルの中で思いがけず鮎子に逢った。二人はひしと抱き合った。が、それを今しも故郷に来た葵が見ていた。克巳は再び鮎子との結婚を孝祐に願ったが断られ空しく帰京。そして鮎子は葵に会った。葵は自分に代って克巳を幸せにしてくれと鮎子に頼んだ。鮎子は家出した。彼女は漸く東京で克巳と会い再び離れぬことを誓った。葵も恭助の家に戻ったが哀しい運命に泣くばかりであった。一方、孝祐は鮎子を追って克巳の家を訪れたが、その朝、克巳は会社の出張に鮎子を伴って九州に旅立っていた。九州に来た二人は高千穂で結婚式を挙げようと決心した。ところがある日、工事現場の克巳に、近所の娘真紀が、鮎子が連戻されるところだと報せに来た。思わず駈けつけようとする克巳の前にその時岩盤爆破の発破。克巳はばったりと倒れた。

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