劇場公開日 1978年11月23日

「血の色は世界を分かつのか(多様性とは?)」ブルークリスマス Noriさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0血の色は世界を分かつのか(多様性とは?)

2024年12月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

単純

過去鑑賞したことはあるが、全然覚えていなかった。

未確認飛行物体に遭遇した者の血液が変性して青色になる、その者達を各国が意見の相違なく排除していく、というストーリー。ナチスのホロコーストが映像として挿入されていたが、異質な者を排除する人間の性を投影させているのだろうか。
本作では、異質な者は人間ではないとして、ある者は調査の対象となり、そしてまたある者は抹消されていった。翻って、我々の生きる現実世界はどうだろうか?異なる文化の者、異形の者に対して寛容といえるか?多様性を謳う世の中で、その分断が先鋭化してきている、そう感じているのは私だけではないだろう。
その具体的処方箋は何か?実のところ、人間が人間である限り、その解は得られないのかもしれない。皆が皆、善人となる世の中が今後も訪れることはないだろう。「それでもなお」より良い方へと向かう努力を続けないといけない。例えその努力が徒労に終わったとしても。

Nori