劇場公開日 1979年4月21日

「主人公の身勝手さ、その孤独」復讐するは我にあり shosho5656さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5主人公の身勝手さ、その孤独

2018年8月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

身勝手。それは生きる強さ。
人の命を奪っておいてあんなにも傲岸不遜なのか。冒頭でそう印象付けられる。

しかし物語の展開につれて主人公の生い立ち、内面が顕になる。

飄々として悪びれない主人公の悲しみ、癒えることのない傷。これは幼少期に起因していた。

強者に媚びへつらう父親。強いはずの父親像を裏切った彼に対し、

怒りの炎が沸沸と湧いていたのだった。それは人格形成に多大な影響を

及ぼし、不安定で「奪う」者である存在へと変貌を遂げた。

加害者に同情してしまうのは、法を遵守すべき社会人としてあるまじき姿勢かもしれない。

ただ、主人公のやり切れなさは何だか胸を焦がすのだ。

shosho5656