福沢諭吉のレビュー・感想・評価
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真摯に学問に取り組む覚悟
福沢諭吉を柴田恭兵が演ずるなんて意外だよね。諭吉は身分は低かったが長崎で勉強を始めた。諭吉は江戸へ出て塾の先生となった。しかしもうオランダ語は無用で世の中は英語に代わっていた。諭吉は悔しくて咸臨丸でアメリカへ向かう事になった。教科書的伝記の流れで諭吉の顛末を展開していく。勉強ばかりでなく行動力もあったんだね。でも時代は英語をご禁制にしていた。塾の経営を考えながら先駆者としてやっぱり立派な存在だったんだね。塾生が戦争に従軍すると言う挫折も味わいながら真摯に学問に取り組む覚悟を露わにした真面目な作品だったよ。
すゝめられない映画
学問のすゝめ、天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず、慶應義塾の創設者、そして一万円札の人…。
福沢諭吉の半生を描いた1991年の作品。
Wikipediaを開いただけでも膨大な情報量、その偉業を描いた堅苦しい伝記映画ではなく、福沢塾(後の慶應義塾の礎)を開いた若き諭吉と門下生の交流をメインとした青春群像劇風。
時は幕末、日本の大変革期、時代の荒波やうねりを、学問を通じて訴える。
当時の歴史的事件を背景にし、少々小難しい箇所もあるが、比較的すんなり見れる。
が、映画としては成功作とは言い難い。
仲村トオル演じる門下生と南野陽子演じる遊女とのメロドラマチックな色恋はチープ。(演技は下手だけどやたらと艶かしい若き南野陽子)
そういうエピソードや戦のシーンは描かれるのに、諭吉の渡米時のエピソードは丸々ナレで済ますというお粗末な作り。
福沢諭吉を題材にしているので学問の大事さは端から分かり、結局何を描きたかったのか見応えある深みにも面白味にも欠けた。
柴田恭兵は誠実な好演。
名のあるスタッフやキャストは揃ったものの…
もう少し内容を見直す学問をすゝめたい。
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