劇場公開日 1970年3月5日

「日本人の美意識を総動員してできる世界です」緋牡丹博徒 お竜参上 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0日本人の美意識を総動員してできる世界です

2019年12月6日
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痺れました!物凄い傑作です
藤純子の美しさをその名の通り純粋に引き立てる為に何もかも存在し動員される脚本、演出、美術、衣装、配役
素晴らしいです

ことに広重の浮世絵を想わせる大胆な構図の撮り方が幾つもあります
これは驚嘆すべきもので美術品です
ハッキリ言って芸術品に仕上がっています
画面右半分を今戸橋の橋票を巨大に配して、左画面に薄暗闇の欄干に寄りかかる蛇の目傘の見事な構図と色彩には感嘆するばかりです

日本人の美意識を総動員してできる世界です
それは映像だけでなく、プラトニックな淡い男女の大人関係にも反映されています
ラストシーンですら抱き合わず節度を守る二人
それなのにエロチックなのです
なんとも耽美な痺れるようなラブシーンであるのです

菅原文太、本当に男前でした

あき240