ひばり捕物帖 自雷也小判
劇場公開日:1958年11月19日
解説
ひばりのお七、千代之介の兵馬の「かんざし小判」の捕物コンビが再び登場する時代劇。瀬戸口寅雄の原作を、「希望の乙女」のコンビ笠原良三・笠原和夫が脚色、「不知火小憎評判記 鳴門飛脚」の深田金之助が監督した。撮影は「喧嘩太平記」の松井鴻。「希望の乙女」の美空ひばり、「喧嘩太平記」の東千代之介や里見浩太郎・尾上鯉之助などが出演。
1958年製作/87分/日本
原題または英題:Lady Detective in Edo
劇場公開日:1958年11月19日
ストーリー
お七は、老中・阿部伊予守の妹姫の身でありながら、捕物稼業に浮身をやつしていた。お守り役の兵馬は、お七を連れ戻そうとするが、素直に屋敷へ帰るお七ではない。二人の口喧嘩の間に、伝馬町の牢屋敷に大事件が持ち上っていた。お七と名のる女が、南町番所与力を通じて牢内に入り、その直後に起った火事の混乱にまぎれ、大塩騒動の残党が逃走したのだ。お七を破牢手引の嫌疑で、南町奉行・甲斐守の捕方がとり囲んだ。これを助けたのは、他ならぬ兵馬だ。お七は、南町番所与力の家に忍びこみ、謎の女が落していった“散らし小判”の小柄を手に入れた。お七の去った後、番所与力と妻女が何者かに惨殺された。お七は“散らし小判の”小柄が浪路太夫のものであることを探り出した。一座の裏口で浪路と話している若者をみて、彼女の目が光った。この若者は、牢破りの大塩の残党・清之助だったからだ。彼の後をつけ、清之助と彼の父との会話をお七は盗み聞いた。それによると、謎の女の顔を見た“三人”を殺そうと狙う残党一味さえ知らぬうちに、その内の“二人”与力夫妻が殺されたというのだ。そして残るは壁善四郎一人、これは残党一味が今夜殺すことになっているということだ。が、その夜清之助一味が、善四郎の駕篭を襲った時には、すでに駕篭の中で惨殺されていた。しかも、一味は黒覆面の一隊に包囲された。清之助一人が辛うじて、逃げのびた。お七は一隊の後をつけたが、途中で発見された。この時も兵馬が現われ、危機を脱した。小柄の持主はやはり浪路だった。恋人の清之助を救うため、お七と名のって破牢の手引きをしたのだ。この頃、清之助は再び捕えられた父を助けるかわりに、浪路を殺すよう甲斐守から命じられていた。清之助は浪路を斬る決心をした。お七が清之助を制止した時、覆面の一隊が現われ、お七・清之助・浪路の三人が追いつめられた。また、兵馬がこの危急を救った。破牢事件につながる殺人事件は、伊予守の失脚を狙う老中・山城守と甲斐守の陰謀であった。お七は浪路を再び舞台に出した。乗りこんできた山城守・甲斐守一派を兵馬とお七の働きで討伐し、その陰謀を暴露した。