叛乱(1954)のレビュー・感想・評価
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古いが貴重な力作
昭和最大の事変226事件を題材にした映画は
新しくは「226」など幾つかあったが、1954年製作という
その古さからいえば、まだ事件から20年ほどしか経っていない
時に作られた映画。
今の私たちからすればバブル絶頂期の記憶とほぼ同距離なわけで、
226事件に参加した生き残りも多くまだいた頃。
だから小道具に至るまでいいかげんな製作は出来なかっただろう。
青年将校たちが決起に至った動機、彼らをあおっておいて
いざとなると自分の保身のためにハシゴを外して裏切る将軍たちの
行状、あおったけど最後まで裏切らず共に死を受け入れる人間たち。
非常にリアルで、実際にこういう激しい応酬だったろうな、と
思わせる説得力がある。「正義の志士」となって腐敗した日本を
救えるのか、「逆賊」(今でいえばテロリストか)とされて
害虫のように殺されるかふたつにひとつ。 この緊迫感を佐分利
監督は十分に充満させ、観る者をぐいぐい引っ張る。
主人公の安藤大尉役の細川俊夫が煩悶する演技もいい。
こういう大昔の埋もれた邦画を上映してくたWOWOWに拍手!
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