「追悼・原節子 (※ほとんど映画のレビューではありません)」晩春 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
追悼・原節子 (※ほとんど映画のレビューではありません)
原節子さん死去。
この訃報を聞いた時、これで往年の銀幕スターが全員旅立ったような感じを受けた。
清楚で上品な役柄から、“永遠の処女”。
人気絶頂の60年代に突然引退し、以来半世紀一切公の場から姿を消した事から“伝説の女優”。
自分にとっては、小津安二郎の一連の作品での“古きよき時代の日本の理想の娘”として印象に残る。
小津の代表作「東京物語」での田舎から出てきた老夫婦を唯一気遣うお嫁さんもいいが、やっぱり「晩春」!
結婚を控えた娘とその父が二人で過ごす最後の日々を描いた名作。
小津のその後のスタイルを決め、原節子との初コンビ作。小津にとっても原節子にとっても転機となった一作。
娘・紀子(「東京物語」でも同名役)の可憐さ、いじらしさは、これぞ原節子の真骨頂!
当時、今やお馴染み“お嫁さんにしたい女優ランキング”なんてあったら圧倒的な1位だったんだろうなぁ、と。
今年「海街diary」を見た時、綾瀬はるかの演技にうっすら原節子を彷彿させるものを感じたが(あくまで役柄が)、吉永小百合ともちょっと違う、日本映画に後にも先にも二人と居ない名女優。
今回の訃報でクローズアップされたのが、ゴシップ的な引退の真相。
それよりも、日本映画界にどれほどの足跡を残したか取り上げて欲しかったが、ワイドショーでは典型的な“往年の女優死去”というくらい。
今のTV界には原節子を知らない人が多いのか…?
いずれキネマ旬報では間違いなく大特集するからそれで待つか…。
ご冥福お祈りします。
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