「雨の中でのケンケンパ」張込み(1958) ぷにゃぷにゃさんの映画レビュー(感想・評価)
雨の中でのケンケンパ
高峰秀子は主役ではなかった。刑事が主役だった。そして、高峰秀子は徹底的に観察(ほんとは監視)されるのだった。好きだった人とは結ばれず、年上の細かくて口うるさい、三人の子供がいる男と結婚し、自分の気持ちを殺して生きる女。その暮らしぶりを見ているうちに、女に同情するようになる刑事。彼にも好きな女がいた…。
殺人事件が起こり、警察が犯人を追う話ではあるが、サスペンス要素は薄い。高峰秀子は主役の刑事の、プライベートな決断を後押しする役割だった。彼女が生き生きするのは、今の生活を捨て、昔好きだった男とやり直そうと、覚悟をする瞬間であった。夏の強い光の下で、その顔は輝いていた。しかし、時は遅かったのだ〜(涙)。タイミングって大事なのね。
どしゃ降りの雨の中、下駄の鼻緒が切れて、ケンケンパする高峰秀子が、すごくかわいかった。これ、昔は出会って恋が始まる場面なんだけど、なんも起こらない〜。がっかりだよ。
BS松竹東急の「生誕100年高峰秀子特集」放送を録画で鑑賞。
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