「男の喪失をロマンチックに」HANA-BI まままさんの映画レビュー(感想・評価)
男の喪失をロマンチックに
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子供を失った。
妻は癌になった。精神的にやつれ声も出さない。
部下も失った。
またもう一人の部下は命は取り留めたものの、家族と足の自由を失った。自殺未遂もした。
ヤクザから金を借りたり、銀行強盗をしたり
その金で部下に絵の具を買い、妻とは最期のドライブをする
最期ののドライブは誰にも邪魔をさせない。
やってくるヤクザを冷酷に殺す
たけしは感情の起伏が乏しく、淡々と悲しみ、淡々と人を殺す、寂しげな男。
たけしがちょけて妻が笑うシーンがいくつかあるが、どれも良い
花火の発射が遅れてたけしがこける
トランプのカードを車のミラー越しに当てる。クランキーチョコ
などなど
部下の絵として挟まれる絵画が印象的
ひまわりの顔をしたライオン
雪という漢字で降る雪に、自決の赤い文字
ただ破滅に向かおうとするたけしを、どこか儚く美しく描いているのは正直好みが分かれるところ
男の喪失はそんなにクールじゃなくたって良い
どこかロマンチストすぎるように感じてしまう
最近のアカデミー賞授賞式でのウィルスミスのような。
妻を守る夫という役割に、酔っているような感じ。
今見ると少し古い価値観に思えて、距離を置いて見てしまうところがある
まあ20年以上前なので仕方ないということで
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