花の遊侠伝

劇場公開日:

解説

歌舞伎や講談でお馴染の金子市之丞・河内山宗俊・片岡直次郎・暗闇の丑松などの人物が登場する明朗時代劇。「銭形平次捕物控 鬼火燈篭」の小国英雄のオリジナル・シナリオを、「女狐風呂」の安田公義が監督し、「銭形平次捕物控 鬼火燈篭」の牧田行正が撮影した。「銭形平次捕物控 鬼火燈篭」の長谷川一夫、「江戸は青空」の林成年、「東海道の野郎ども」の勝新太郎に、黒川弥太郎・浦路洋子・水戸光子・小堀明男・東山千栄子らが出演。

1958年製作/98分/日本
配給:大映
劇場公開日:1958年8月31日

ストーリー

河内山宗俊と、その家に寄宿する浪人やくざの金子市之丞、御家人の片岡直次郎、元厩仲間でスリ常習の暗闇の丑松は、仲の良い遊侠仲間の四人組だ。丑松は大川に身投げした百姓の彦六を自分が金槌なのも忘れて助けに飛びこみ、反対に助けられた。同じ頃、宗俊の家を訪れていたのは倉橋権太夫である。国元へ帰るにつき、なにか骨董品を分けてほしいという。宗俊は、捨てるつもりだったシビンを、名器「夜の雨」と名づけて五十両で売った。さて、直次郎の所へ田舎のおふくろ・おもんから、出かけて来るという手紙が届いた。直次郎がおふくろを喜ばせようと、御目付衆に出世したと書いてやったものだから、その出世した姿を見に来るというのだ。市之丞はおもんを喜ばせてやろうと、直次郎をお目付衆に仕立て、みんなが家来になって芝居をしてやろうじゃないかと提案した。幸い丑松の主人だった碩翁の今戸の寮が、空きっぱなしだというので、忍びこんだ。無断で住んでいた十人の乞食にもアルバイトの家来を頼み、おもんを迎えた。おもんは、涙を流して大喜びだ。ちょうど隅田川で舟遊びをしていた碩翁が、無人のはずの家に灯りがついているので不審に思いやって来たが、その場の事情を察して帰っていった。--ところで、丑松が助けた、いや助けられた彦六は、蔵前の近江屋に奉公に出した娘のお八重が行方不明で、悲しみの余り大川に投身したものだった。お八重は、近江屋の娘お浪の身代りに、若年寄の肥後守のもとにやられたのだった。市之丞は、直次郎を肥後守邸に忍びこませた。折から肥後守邸を訪れていたのは、倉橋権太夫である。名器「夜の雨」を贈ったものだから、肥後守をカンカンに怒らせた。天井に忍んでいた直次郎、つい吹き出したものだから邸内は、てんやわんやの騒ぎとなった。直次郎の探索でお八重のいることが分ったので今度は宗俊の乗りこみ。お八重をさらって逃げた。肥後守と権太夫が押寄せる。大殺陣! 乞食たちまで石を投げつけての応援に、彼らはやがて撃退された。後始末は碩翁が引きうけてくれることになり、四人は江戸を後にした。

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